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2019-01-29 00:00
南北融和の影に隠れる日韓関係
真田 幸光
大学教員
残念ながら、「日韓は、朝鮮戦争後、最悪の険悪な外交関係に昨今はある。」と筆者は見ている。そこで、今回は韓国の文大統領の動きを筆者の視点から、「推察」することをお許し戴きたい。韓国の文大統領の本年の年頭の挨拶を聞くかぎりでは、文大統領は、「南北融和」を推進することを最優先政策として捉えているとしか筆者には聞こえない。そして、昨年は、「南北融和推進元年」として捉え、本年は、「南北融和積極推進年」として捉えつつ、「出来る限り早期の南北統一を図りたい。」としているようにも見られる。更に、そうした政策を確実に推進する為にも、今年は南北融和を大きく進展させ、韓国国民の意識を一気に南北融和に持っていきつつ、その裏で、大統領任期の改変を国民に問い、「二期10年の大統領任期可能」への道筋をつけ、自らが10年の月日をかけて、「南北統一」を必ず成し遂げると言う意欲を文大統領自身が持っていると筆者は見ている。そして、南北統一を国際社会に認知させる為、バチカンのローマ法王の南北融和支持のコメントなどを引き出しつつ、「南北融和推進事業として鉄道と道路の南北連結事業推進」などを今年は更に積極的に推進してくるものと見られる。
当面は韓国の資金を以って南北融和事業を進めるが、その後は、「統一に向けた莫大な資金」が必要となってくる為、これを国際社会から調達することを考えているものと思われる。その際、米露中が簡単に資金供出をするはずがないと見る文政権は、戦後賠償を背景に、「日本からの資金供与」を実現させるべく、「第二次世界大戦の日本の戦争責任を改めて様々な角度から国際社会に対して示し、1965年の日韓国交樹立時の合意もうやむやにしつつ、日本が南北融和に向けた資金を出すべきである。」との国際キャンペーンを展開し、徴用工や慰安婦問題など、国際社会に訴え易い問題、更には、「日本海の呼称の東海併記」なども国際機関に訴えつつ、日本を執拗に揺さぶりながら、「挑発」してくるものと見ておく必要がある。
しかし、こうしたことの前提は、何を置いても、先ずは、「二回目の米朝首脳会談」を具現化することにあり、ここにきて、「2月後半の開催」の目処をつけたとされる。韓国、そして北朝鮮としては、北朝鮮との関係改善に前向きともされる米国のトランプ大統領の関係改善の言質を取り、これをテークチャンスして、一気に、「南北融和」のムードを国際社会に拡散させたいであろう。そして、それを実現した後、文政権としては、懸案であった、「北朝鮮の金朝鮮労働党委員長のソウル訪問」を引き出し、「文大統領の成果」を内外に示す作戦と筆者は見ている。
こうした中、韓国政府は、想定されている2月の米朝会談の後、3月末から4月にかけて南北首脳会談の開催を目指して調整を始めた。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長のソウル訪問の実現を目指すこととなる。北朝鮮が韓国に求める南北経済協力を前に進めつつの開催となろう。南北融和の進展の陰で、「日韓の融和」は遠のく。
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