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2019-01-21 00:00
(連載1)新年早々国連憲章違反を宣言する習近平主席
倉西 雅子
政治学者
年が明けて間もない1月2日、中国の習近平国家主席は、首都北京で開催された「台湾同胞に告げる書」の40周年を祝う記念式典において、物騒な発言で穏やかな新春の気分を吹き飛ばしております。‘武器の使用は放棄せず、あらゆる必要な措置をとる選択肢を残す’と凄んだのですから(‘武力行使’については2008年に消えて今般復活…)。
平和的統一や「一国二制度」を目指すとする従来の原則を維持しつつも、武力使用を示唆する上記の発言に続いて、特に“外部勢力の干渉”や“台独分子”に言及しています。“外部勢力”とは、主として台湾の準同盟国であるアメリカを、そして“台独分子”は、民進党を中心とした独立を支持する人々を意味しているのでしょう。
この発言から予測される事態は深刻です。仮に習主席が、国内の不満を逸らし、共産党一党独裁体制を維持することを目的に台湾進攻の挙に出た場合、‘新冷戦’は即座に‘熱戦’へと転じると共に、台湾国内では、独立支持者、即ち、台湾の一般国民多数に対する凄惨な弾圧や虐殺が発生するのです。戦争とジェノサイドの同時発生は全世界を恐怖に陥れると共に、台湾海峡が発火点となって第三次世界大戦を誘発しないとも限らないのです。
想像しただけでも慄然とさせられるのですが、習主席が台湾攻略に向けて着々と手を打っている様子は、昨年の台湾におけるどこか腑に落ちない統一地方選挙の民進党敗北の結果からも窺えます。外国や国際勢力からの選挙干渉のリスクは各国の選挙において既に指摘されておりますが、実際に、同選挙に際しても中国からの嫌がらせや世論誘導などが報告されています。中国は、背後から親中政党を支援して政権を取らせ、「一国二制度」へと持ち込む“平和的統一”を第1シナリオとして描いており、このシナリオが失敗した場合には、軍事侵攻という第2シナリオを発動させるつもりなのでしょう。(つづく)
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