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2018-12-27 00:00
(連載2)拙速な外国人材の受け入れに、きっぱりNO
長島 昭久
衆議院議員/元防衛副大臣
なによりも問題なことは、政府が「いったいどこまで外国人が増えるのか?」という最も肝心な国民の疑問(不安)に全く答えられなかったことです。財界からの圧力があったのか、政府は最後まで受け入れ総数の上限を明示できませんでした。日本社会における外国人材との共生を本気で考えるなら、受け入れ人材の厳格な「総量規制」は絶対に避けて通ることはできません。
私自身は、人口減少、とりわけ生産年齢人口の減少に対しては、女性や高齢者の活躍や生産性革命に加え、AI・ロボット・自動運転技術に徹底的な投資を行って、社会全体のスマート化を図ることが先決であって、労働力不足を安易に外国人で補う一時しのぎの発想では、社会分断に苦しむ欧州の轍を踏むばかりだと危惧します。
しかも、我が国が受け入れる外国人材は、「労働力」などという無機質な経済の歯車ではありません。彼らは、私たち日本人と同じ、喜怒哀楽を持った生身の人間なのです。異国において生活するためには、まず語学。そして、生活支援、さらには健康保険や社会保障が必須です。にもかかわらず、たとえば、肝心の日本語教育施設は都市部に偏っており、日本語を教える場所がない空白地域に住む外国人はすでに50万人を超えています。日本語教師が絶対的に不足し、6割近くはボランティアに頼り、日本語教師の質の向上のための公的な資格制度をこれから検討する、という無責任な状況です。
いずれにしても、どこの国からどんな人材を我が国に受け入れるかというのは、国家主権の根幹にかかわる問題です。したがって、厳格なルールの下に適切に選別しコントロールしなければなりません。その上で、いったん受け入れたならば日本人との共生を図るべく、外国人やその家族に対し、基本的人権の保障はもとより生活や健康保険などにつき、手厚い支援を行うことに国が責任を持たねばなりません。これは、国家の品格と国民の尊厳にかかわる我が日本国の矜持なのです。今後とも、この移民問題については、厳しい姿勢で臨んでまいります。(おわり)
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