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2018-11-26 00:00
中国の南南協力外交の行方と世界
真田 幸光
大学教員
私が見るところ、最近の中国本土の国力増強は、その質、スピード共に目を見張るものがあり、国際社会に於ける覇権国家としての地位を着々と固めてきているように見られます。そして、「一帯一路構想とAIIB運営と言うセット商品」を背景に、しっかりと、「ユーラシア大陸に於ける影響力」を拡大しているようにも見られます。更に、ユーラシア大陸のみならず、「アフリカ、中近東地域」への影響力拡大も図りつつあり、「現行の覇権国家・米国」との対立軸構築にも注力しているように見られます。
こうした中国本土の拡大は、明らかに「米国や日本の脅威」になっていますし、ロシアも中国本土の拡大には、注意を払っていると私は見ています。また、こうした過程に於いて中国本土は、先進国を対立軸として意識する一方、発展途上国を自陣営に取り込むべく、先進国に対する姿勢とは明らかに異なる姿勢を示して、発展途上国に接していると見られます。即ち、発展途上国に対しては、「中国本土も発展途上国であり、貴国と協調し、共に発展していこうではないか!」と言わんばかりの外交姿勢で臨み、更にここにきて、中国本土自身が経済発展すると、「積極的な経済外交を展開」し、発展途上国を上手に取り込もうとしていると見られます。
ところで、発展途上国同士の連携を、「南南協力」と言います。南南協力は、「途上国の創造性を高めることにより、途上国が自立して開発問題に対する解決策を見つけられるようになる」とされ、「知識や経験、技術などを共有することで途上国間での自助努力が生まれる」、「開発問題を特定・分析する能力を高め、解決のための戦略作りに取り組む」、「援助資源の運用の有効性を改善することで、国際開発協力の質と量を高める」、「開発需要に沿った技術の適応・吸収をさらに効率よく行うため、現存する技術能力を高める」、「途上国間でのコミュニケーション促進により知識と経験を共有し、途上国間で共通する開発問題への新しい解決策を見つけられるようになる」、「災害などの危機の影響を受けやすい後発開発途上国、内陸開発途上国、小島嶼開発途上国の問題と需要を把握し、対策をたてる」、「途上国がさらなる国際経済活動と国際開発に取り組む」などを前提とし、「南南協力には、援助資源の拡大や、地域協力の活性化、途上国のオーナーシップの増大、また歴史的・文化的背景や自然環境・ 経済事情の類似した国同士の協力から得られる効率性の高さ、途上国の能力開発への貢献、持続的開発への貢献など、様々なメリットがある。」とされています。
そして、中国本土では、途上国開発問題に関する専門家が生まれ、知識や経験および開発のための政策のノウハウが蓄積され、他の途上国開発に適した見本を持ち、こうした「南=中国本土」協力が得たイノベーション、知識、開発問題への解決策を以って、発展途上国の更なる開発へと繋げており、こうした勢いを止める者は、中国本土自身が崩壊でもしない限りは、いないと私の目には映ります。
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