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2018-11-20 00:00
(連載2)外国人労働者受け入れ拡大の議論
岡本 裕明
海外事業経営者
職の奪い合いについては、他のメディアでも懸念を示していました。まず、これは一時的就労ビザであることを忘れてはいけません。今回、「高い能力である特定技能2号をもつ人は、将来永住権申請への道が開ける」としていますが、大半は特定技能1号の話であります。懸念されるような景気変動が起きれば、その発給を絞ればよいだけでしょう。それとは別ですが、若い日本人達が単純労働をしたがらなくなりつつあります。昔は、居酒屋やコンビニは、大学生達にとって当たり前のバイト先でした。しかし、移民の人達が増えるともっとシフトアップするのが世の常であり、それが日本のレベルアップにつながると考えています。
最後に「参政権」とあります。これに至ってはもう論外の話で「産経もどうしちゃったのか」と思います。参政権は日本国籍取得者のみに与えられています。今回の話は「一時的労働者」であります。仮に特定技能2号経由で永住権をとっても、参政権はありません。
今回の外国人労働者受け入れ議論を見ていると、日本がかつてそういう経験を十分に踏まえていないせいか、議論のレベルが非常に低く感じます。まるで黒船来襲の時のような「噂が噂を呼ぶ」感じでしょうか。本当に懸念しなくてはいけないのは、そうした外国人が「日本のコミュニティや社会に溶け込めるのか」ということであり、日本人が「受けいれる気持ちを持つのか」にかかっています。
北海道のある飲食店が東京に出店した際、「ほぼ外国人だけのオペレーションにした」と『日経ビジネス』に掲載されていました。そこには、外国人がカウンター越しに寿司を握る写真が出ています。これは結構チャレンジングだと思っています。私も、かつてシアトルで日本料理店の経営を任されていた頃、カウンターには日本人を入れ、厨房をメキシコ人主体にしました。バンクーバーで今でも大混雑しているある日本食レストランは、オープンキッチンの中が日本人の職人、サーバーがほぼ全員白人で、うまく特性を使い分けています。これは差別ではなく、顧客期待への対応であい、マーケティングテクニックです。このあたりの器用さが今後、日本に求められてくるのでしょう。政府試算の受け入れ人数は影響が少なく、また、今までのビザ要件があいまいだったことを踏まえれば、これで一つの明白なラインが出るわけで、この法案はむしろ待ち望んでいたぐらいのものであり、意味があると思っています。但し、「管理と運用のフレキシビリティを国民とどう対話していくのか」は政府側の最大のチャレンジであると思います。(おわり)
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