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2018-09-14 00:00
(連載2)朝鮮戦争を法的に処理するには
倉西 雅子
政治学者
しかしながら、今日、責任当事国である北朝鮮では、金日成の孫の時代に至っております。そこで、最高責任者の代替わりに対してどのように対応するのか、という法理上の困難な問題が提起されるのです。この問題については、朝鮮戦争以来、北朝鮮では世襲独裁体制が維持されておりますので、戦争犯罪の責任も後継者に継承されていると解することも可能です。
停戦協定が結ばれたとはいえ、未だに戦争状態にありますので、同解釈に立脚すれば、全責任を祖父から引き継いでいる金正恩委員長を被告人とする特別国際軍事裁判=平壌裁判もあり得ることとなりましょう。この場合、同法廷の設置者は国連となり、加盟各国から判事が選任される形態となります。
そして、もう一つ、法的な解決方法があるとすれば、金委員長が自らの国家の罪を全面的に認め、侵略戦争を終わらせることです。北朝鮮の侵略に戦争原因があり、かつ、国連安保理で侵略認定を既に受けていますので、双方の合意ではなく、侵略側の一方的な侵略行為の放棄宣言で事足りるはずです。この場合、犯人の‘投降’や‘自首’と同様の行為となりますので、もしかしますと、罰は減免されるかもしれません。
もっとも、北朝鮮側が、自らが戦犯国家となる法的処理を望むはずもありません。否、戦争犯罪の罪から逃れるべく、国際法上の法的処理手続きを飛ばした単なる‘戦争終結’を強く要求しているのでしょう。何れにしても、朝鮮戦争に法的処理について考えてみることは無駄ではないように思えます。それは、侵略戦争であった事実に頬被りをしたい北朝鮮に対する強い牽制の効果が期待できますし、あるいは、国際法秩序の未来に照らしてみれば、最も適切、かつ、人類に希望を繋ぐ解決方法であるかもしれないのですから。(おわり)
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