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2018-09-13 00:00
(連載1)朝鮮戦争を法的に処理するには
倉西 雅子
政治学者
最近の米朝関係を見ますと、かつてあれほど騒がれた「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)は、一体、何処に行ってしまったのかと戸惑うばかりですが、北朝鮮が、核・ミサイルの開発能力を維持しようとしている背景には、朝鮮戦争終結の要求があることは想像に難くありません。
北朝鮮側は、アメリカが朝鮮戦争の終結を実行に移さない限り、核もICBM等のミサイル開発も放棄するつもりはないことを、敢えて中途半端な行動をとることで、アメリカに対して仄めかしていると考えられるのです。ミサイル基地の解体ショーも、アメリカがポーズであることを見破ることを計算に入れてのことなのでしょう。しかしながら、かくも北朝鮮に対して大幅な譲歩を見せながら、トランプ政権は、北朝鮮からの朝鮮戦争終結要求に応じるつもりはないようです。
ここで、しばし考えてもみるべきことは、朝鮮戦争の法的な処理方法です。‘朝鮮戦争の終結’と言う時、北朝鮮側は、戦争終結宣言から平和条約への2ステップを想定しているようですが、1950年に始まる朝鮮戦争が、北朝鮮の対韓国侵略戦争に端を発していることは重要な事実です。朝鮮戦争とは、国家対国家の一般的な戦争とは性質が違います。
現在、朝鮮戦争は停戦中に過ぎず、法的には、‘世界の警察官国連対侵略国家北朝鮮’の構図が継続しているのです。朝鮮戦争の二重性(侵略戦争+制裁戦争)からしますと、最初の侵略戦争の処理もまた、法的には正当、かつ、必要な手続きとなります。この点に鑑みて現状を見ますと、今日に至るまで、南北を画する38度線は保たれており、戦争以前の原状も回復されています。言い換えますと、法的処理に際しては、強制力による原状回復を必要としておらず、残された問題は、かつて、第二次世界大戦後に戦争責任者が処罰されたように、戦争責任者の処遇となるのです(賠償や請求権問題は平和条約で解決…)。最も望ましい形は、北朝鮮による戦争犯罪が国際法廷において裁かれ、その指導者たる責任者が処罰されるというものです(もちろん、一般の戦争法違反行為についても軍事裁判を要しますが…)。(つづく)
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