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2018-09-04 00:00
(連載2)台湾の国家承認
緒方 林太郎
元衆議院議員
むしろ、更にラテンアメリカやカリブの中で遠からず北京承認に切り換える動きが出てくるでしょう。その代わり、国際社会は台湾を経済的にどんどん取り込む動きをすべきです。台湾にとっても、国家承認というメンツを追うよりも、そちらの方が遥かに有益です。そういう観点から、私は昔、条約課補佐時代に「日本と『台湾、澎湖諸島、金門及び馬祖から成る独立の関税地域』との間で自由貿易協定を締結できないか。」という事を結構真剣に研究した事があります。今、台湾はWTOに加盟していますが、それは「中華民国」でも、「台湾」でもなく、「台湾、澎湖諸島、金門及び馬祖から成る独立の関税地域」という名称で加盟しています。WTOに加盟できるのは、国のみではなく、「独立の関税地域」でも加盟できるからです(例えば、香港もそれに該当します。)。
マルチ(多数国間)でのお付き合いが、「独立の関税地域」である台湾とやれるのなら、バイ(二国間)でも同じ理屈でやれるんじゃないかな、と思って、論理的にかなり追求したのです。実際、シンガポールやニュージーランドは台湾とFTAを締結しているわけですし、法的に絶対超えられないという事でもないだろうと思ったわけです。ただ、日本と台湾で二国間で向き合って自由貿易協定を締結するのは、(政治的なテーマ以前に)法的論理構成としてもなかなかハードルが高かった事はよく覚えています。
バイが難しいのであれば、TPPに誘い入れる事を検討してはどうかと思います。TPPは実は「独立の関税地域」が入って来る事を想定している協定です。第一章の「冒頭の規定及び一般的定義」の中で、「『締約国』とは、この協定が効力を有する国又は独立の関税地域をいう。」という規定があります。通商を長くやっている人間であれば、これを見れば「ああ、台湾が将来入って来る事も排除はしてないんだな。」という事がすぐに分かります。
台湾が「国家承認」という外交上の基礎中の基礎の部分で苦しくなってきているわけですから、ここは経済面での誘い入れを積極的にやってみてはどうかと思うのです(今でもある程度の検討がなされているのは知っていますが、更にアクセルを踏んで。)。上記の通り、最低限のツールは揃えられています。(おわり)
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