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2007-04-24 00:00
日米首脳会談に望むこと
村田晃嗣
同志社大学法学部教授
安倍晋三首相の初の訪米と日米首脳会談が、間近に迫っている。安倍内閣が発足してからすでに半年以上が経過している。昨年11月にはアメリカで中間選挙があったため、新内閣発足すぐの訪米はむずかしかったものの、訪中、訪韓、ヨーロッパ歴訪ののちに、ようやくの訪米である。しかも、この間に、内政では安倍内閣の支持率は七割から四割に低下し、外交では北朝鮮の核実験と六者協議での米朝の歩み寄りが起こっている。こうした中で、今回の日米首脳会談は、何としても成功させなければならない。
安倍首相の「従軍慰安婦」に関する発言は、内外で物議をかもした。中国は相当冷静に対応しているが、アメリカではこれは人権問題と受け取られている。首相の表現の当否は置くとして、「価値外交」を標榜する以上、この問題でアメリカの議会やメディアの誤解を解消する最大限の努力が必要である。他方、中国の温家宝首相の先の来日が成功裏に終わったことは、安倍氏の訪米に際して有利な条件を創出している。アメリカでも、日中関係の前進を印象づけ、北朝鮮問題で日米中の連携を強化して、これに韓国も取り込むことが重要である。人権問題への日本自身の感受性の高さを誇示し、日中関係改善への日本側の誠意と熱意を国際的にアピールすることが、六者協議の中で拉致問題をめぐって日本が孤立する事態を回避する上で、不可欠であろう。
小泉前首相時代には「黄金時代」とさえ呼ばれた日米関係だが、在日米軍再編問題のような複雑な実務問題は積み残されているし、今では日米両国首脳とも内政的に苦しい立場に置かれている。しかも、ワシントンでは、かつて対日政策を支えた要路の人物の多くが、すでに政権を去っている。日米同盟の安定を所与のものとみなさず、丁寧な同盟管理と首脳間の信頼関係の再構築に当たらなければならない。
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