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2018-06-15 00:00
韓国情勢と背後に見え隠れする権力について
真田 幸光
大学教員
朝鮮半島情勢の劇的な変化により、多くの韓国の一般人は、昨年、韓国で大統領の弾劾・罷免が起こり、その結果、北朝鮮に近いのではないかと韓国国内の一部では言われていた文氏が結果としては、大統領の座に就いたと言う点を忘れているようにも感じられます。暫くの間は、「北に近い」と言う色を少しも示さずにいた文大統領は、今年に入り、北朝鮮の金委員長が、「平昌五輪に出場したい。」との声明を出したとたん、落ち着き払って、南北共同チーム組成案を掲げ、一気に、「南北融和」に向けて舵を切り、これを加速化しているように見られます。朝鮮半島問題の当事者である南北朝鮮自身が、「融和」に向けて動き、国際世論がそれに傾けば、「米国としても簡単には北朝鮮に手出しできなくなる。」訳であり、現状はそうしたシナリオに沿って米朝会談に向かったものとも予測されています。ここで大切なことは、「北朝鮮だけが南北融和を希望しても、韓国がこれに応じなければ、南北融和は演出されない。」ということであり、また、「文大統領は南北融和に応じている。」と言う点が重要で、更に、韓国の世論調査によれば、「韓国国民もそれを容認している。」ということであります。
しかし、ここで昨年の朴大統領の弾劾・罷免を受け、逮捕された崔被告の手記を見ると、南北融和の陰で、私には温厚なる性格に見られる文大統領率いる現政権の崔被告に対する捜査とその扱いには厳しいものがあるようで、何か納得できないものを感じます。ここで韓国の主要紙である朝鮮日報日本語版のこの点に関する記事(電子版『崔順実被告が獄中手記「社会主義の粛清以上の報復受けている」』2018年5月21日、22:19配信)を参照してみましょう。
「朴前大統領の親友で国政介入事件の中心人物として職権乱用罪などに問われ、一審で懲役20年の判決を受けた崔順実被告が、獄中で執筆している手記の中で“社会主義の粛清よりもひどい報復を受けている”と主張した。崔被告は拘置所に収監されてから暇を見て手記を書きためており、先月末には序文を完成させたという。イ・ギョンジェ弁護士が公開した序文の中で、崔被告は“私は朴大統領にポストを要求したことも、権力を分けてもらったこともない”“国政を壟断したというが、それはどういうことを意味するのか”と主張した。更に、自身への捜査は朴前大統領を潰すためにでっち上げられたものだと訴えた。崔被告は“誰かによってつくられた脚本通りに動いていた。タブレットPC事件も組織的に準備されたものだ”“私を利用して朴前大統領を窮地に追いやろうとしていた”と主張した。また、自分への報復が過酷な形で続いているとも書いた。崔被告は“無作為に降り注ぐ税金爆弾、財産没収に動員された税務署、検察、特別検察が、私には巨額の不正資金があると騒いでいたくせにその金をなぜ見つけられないのか聞きたい”“政権が変わったとはいえ、あまりにひどい報復だ。社会主義の粛清よりひどい”と主張した。崔被告は、政界、検察、特別検察などを“権力の現在の実力者たち”と呼んだ上で“政権の実力者になって結果を得ようとする彼らの忠誠心がいつまで続くのか、見守ってやる”として“この手記を書くことになったのは、そうした誤った忠誠心に対する憤怒からだ”と明かした。」と報道しています。
如何でしょうか?私は100%、この手記を信じるつもりはありません。しかし、一方でこれを否定する材料もありません。従って、可能性もあると見ておきたいですし、もし、こうしたことが背景となっていれば、大統領選挙に向けて動いていた文氏側の影もこの事件の背後に見られるということにもなり兼ねません。また、文政権の下、最近になり、突然逮捕された李明博元大統領も、南北融和にはどちらかと言えば否定的であったとも伝えられており、李元大統領の逮捕にも恣意性が見られるかもしれません。他国の出来事でもあり、状況は全く分かりませんが、こうした見方も出来ない訳ではないという点を、朝鮮半島情勢に関連して、私たち日本人としても一応留意しておくべきではないかと考えています。
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