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2007-04-23 00:00
防衛省の不思議なロゴ:自衛隊はサンダーバードか?
佐島直子
専修大学教授
防衛省の新しいロゴ(シンボル・マーク)をご存知だろうか?「大きなまる」を「ヒト」が上から抱えたような図柄のシンプルでなかなかかわいらしいマークである。おそらくは、昨年末の法改正でいわゆる国際貢献等が自衛隊の本来任務に格上げされたのを受けて、「まあるい地球(?)」を「ヒト(自衛官?)」が守るという意味を表彰しているのであろう。しかし、これでは、まるで自衛隊が「地球を守っている」かのようである。一体、自衛隊は、いつから「地球防衛軍」、いうなれば人気人形劇の「サンダーバード」になったのだろうか?
いうまでもなく、法改正があろうがなかろうが、自衛隊の本務は日本国民の生命と財産を守ることであり、その手法は現行の法的枠組みに依拠し、「専守防衛」に限定されている。たとえ、国際貢献等の任務が本来任務に加えられたとしても、自衛隊が守るべきはあくまでも日本の「国益」であって、その役割が真に「国防」にあることは明らかである。そして、それを現実に担保しているのが、日米安全保障体制である。
自衛隊を表象すべき任務は、あくまでも日本の防衛、それも日米安保体制に補完された抑制的な「専守防衛」任務であって、国際貢献等はあくまで二義的任務であることに変わりはない。しかるに、新ロゴは、「国防」という「崇高な任務」をないがしろにしている。そして、耳障りの良い(大衆受けする)「国際貢献」を前面に出し、なにやら国民に媚びているようだ。否、こんな不思議なロゴで、一種の「ごまかし(眼くらまし)」をし、自衛隊の任務が無限大に拡張されてはなお困るのである。ロゴ(シンボル・マーク)ひとつと侮ることなかれ。
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