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2018-05-21 00:00
朝鮮半島の行方と世界
真田 幸光
大学教員
韓国と北朝鮮が、4月27日、南北首脳会談を予定通り、行いました。そして、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による「平和宣言」への方向性が示されました。韓国側では、その名とは違い実際は多くの武器を配備されている非武装地帯(DMZ)で、重武装を禁じることを宣言に盛り込む案などが浮上していましたが、その方向性で今回の発表がなされています。但し、真の終戦協定に持ち込む為には、1953年の休戦協定締結当事者となる米中の同意署名が必要ともなります点は留意すべきです。
しかし、それでも朝鮮半島の南北当事者が終戦、平和宣言を出すことは一気に南北融和を加速させ、国際世論もそれに傾けば、米国とても簡単には朝鮮半島に武力介入が出来なくなります。特に、北朝鮮の金正恩政権としては、そうしたことで先ずは十分であり、6月初旬までに開催が予定されている米朝首脳会談でも主導権を取り、更に米国のトランプ大統領が、功を焦ってくれれば、米国もこの平和宣言に乗ってきてくれる可能性も出てきましょう。そして、トランプ大統領としては、事、こうした形で進めば、一転、オバマ大統領ですら獲得したノーベル平和賞の受賞に関心を示し、更に功を焦る可能性すらありましょう。こうして見ると、今回の南北会談は、一時、窮地に立たされた北朝鮮を一点有利に導いていくことになる一つの大きな契機となったとも見られ、今後の動向をフォローしたいと思います。
さて、今回の南北会談の主役の一方である朝鮮民主主義人民共和国、通称北朝鮮は人口約2,500万人、面積は約12万平方キロメートルで農業が主産業、そして、世界約200カ国のうち、英独など約160カ国と国交があり、今回の一連の、そして突然の「南北融和」に向けた動きは、「脆弱な国だからこそ、国際世論を味方にして、朝鮮半島問題に関して、米国に簡単に軍事介入されないようにするという、ロシアと北朝鮮の共同作戦によるものである。」と筆者は見ています。
また、韓国の中央銀行たる韓国銀行の分析では、北朝鮮に対する国際的な制裁が更に強まる前の2016年の北朝鮮の経済成長率は2000年代以降で最高の3.9%となっていますが、1人当たりの年間所得は約15万円と韓国の20分の1とされ、更に都市と農村の格差は大きいと見られ、ここに、「中国本土の経済制裁が加わったことから、経済的疲弊が拡大、格差を背景とした国内動揺が顕在化しつつあると見られ、これらを解消する上からも、上述したような南北融和の雰囲気を国際社会で醸成し、一気に制裁緩和に国際世論を向けるという一挙両得の戦略を打ち出し、ここまではそうした戦略が、ロシアと北朝鮮にとっては順調に推移している。」とも見ています。
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