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2018-04-26 00:00
(連載1)義を以って生きる真の大国を望む
真田 幸光
大学教員
世界の中核的な国家となる国の指導者には、義を大切にし、真理を求めて、人間社会はよくリードしていかなくてはならない。然るに、現行の世界の大国たる米国と中国本土の国家動向を見ると、こうした点に疑問を感ぜざるを得ない。以下に、米国、そして中国本土の、利を優先し大国の論理を世界に押し付けている様をご報告したい。
先ずは、米国に関してである。米国は世界の軍事支出の4割弱を占め、名実共に軍事大国である。また、トランプ大統領の掲げる米国国内の雇用を守りつつ、米国経済を発展する上からは、「宇宙・航空産業とその延長線上にある防衛産業の生産と共に販売を拡大していくことは政策効果が高い。」と考えられているものと思われる。こうした中、トランプ大統領は、米国製の武器を海外に売却する手続きを簡素化することを定めた大統領令に署名した。海外への武器輸出を促進し、国内雇用の創出や貿易赤字の削減につなげる狙いがあると見られている。こうしたことを露骨に進める米国は、「死の商人」と言われても仕方なく、また、例えば、米国はよく、「北朝鮮は、核開発をし、核兵器も含む武器輸出をして外貨を稼ぎ、世界の脅威となっている。」との論調を掲げるが、トランプ政権がこうした武器輸出拡大政策を取れば、北朝鮮を始め、世界の武器生産、販売を念頭に置く国家に対する示しがつかなくなり、結果として、それらの国に、米国自身が譲歩せざるを得なくなるのではないだろうか。トランプ大統領の言動には、義がなく、利に捉われるものが多く、一貫性もないと筆者は見ており、世界は更に混沌を深める危険性を感じる。
次に中国本土に関してである。筆者は中国本土が展開する、「一帯一路構想とAIIBの運営」はセット戦略であると見ており、これが、中国本土の経済外交戦略の下で粛々と展開されていくと、経済発展を優先したい新興国諸国を中心とする各国はこうした中国本土の戦略にはまり、更に、「中国本土の掌中に収まっていく。」と見ている。しかし、筆者は、こうした中国本土の戦略は、都合の良い部分では、「共産主義、社会主義の標準を掲げ、中国本土の国益を守りつつ。」しかし、一方で、「国際化の進む世界に対しては、自らの利益を鑑み、現行の自由主義体制における世界標準を巧みに利用する。」と言う、所謂、「ダブルスタンダードを利用した発展を続けようとしている。」と見られ、アンフェアであり、「中国本土は、利を優先、義のない国」となっていると筆者は見ている。しかし、こうした批判に対し、中国本土は、「その影響力の強さを背景に、力技で世界を押し切り、中国本土の世界的影響力の強さを既成事実化している。」とも見られ、傲慢にすら映る。
さて、こうした中、中国本土に駐在する欧州連合(EU)28カ国の大使のうち27人が連名で、習近平政権が提唱する現代版シルクロード“一帯一路”構想を強く批判すると言う現象が見られ、筆者としては、やっと、中国本土の影響力に対する対抗姿勢が表面的に見られたと見ている。このように、外国大使が連名で駐在国の政策を批判するのは極めて異例であり、それだけ、中国本土の影響力拡大に対して危惧している。しかし、一国、あるいは数カ国でこれを批判しても中国本土の影響力に飲まれ、むしろ、批判した後は中国本土に阻害される危険性もあることから、27カ国連名と言う、「集団批判」となったものと思われる。(つづく)
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