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2018-04-02 00:00
力の論理と世界について
真田 幸光
大学教員
最近の世界情勢を見ていると、力が全てのような気がしてしまいます。「権力者の言うことは全て正義。それに逆らう者は悪。従って、権力者に逆らう者は、力を以ってねじ伏せる。」そうした風潮は世界に広がっているように思います。例えば、米国のトランプ大統領、国際秩序を無視するかのように、「自国第一主義」を掲げ、例えば、通商交渉に於いて、相対的に立場の弱いメキシコを叩く、また、同盟国として動いてきた日本や韓国に対してもセーフガードを発動するなど、自国の論理、利益に基づいて動いてきているのを見ると、「わがまま」にもほどがあると思います。
中国本土の習近平国家主席も国内の権力掌握を強める為、国家主席の任期を変更する動きに出て、国内基盤を固めつつ、周辺諸国に対しては、「経済力と言うパワーを見せつけ、中国本土の需要がないと困るであろう、中国本土の経済援助がないと困るであろうと、一種の強迫観念を世界に植え付けつつ、その影響力を拡大している。」とも受け止められ、ここに、「義」は見られません。圧勝の末、再選を果たしたロシアのプーチン大統領は、国内的には人気が高いようですが、例えば、シリアや北朝鮮問題では、自国の利権を優先し、国際協調をせず、我が道を行く姿勢を示します。英国は英国で、国際社会が不安を示しているにも拘らずBrexitを推進しようとしており、更にEU加盟国には交渉期間の延期などの厚顔無恥なる要請をし、最悪のケースでは、かつてアヘン戦争で痛めつけた中国本土と連携して、再び、権力拡大の可能性を模索しようとする始末。若いリーダーであるフランスのマクロン大統領は、こうした国際情勢の変化を捉えつつ、微妙に同盟国との関係を微調整し、結局は大局を捨て自国の利益を最優先する姿勢を示しているように見受けられます。こうして、所謂、国連の、拒否権を持つ、永久常任理事国は、結局は、自国の利益を最優先し、その上で自らの都合の良い、「世界秩序」の再構築に向けて歩み始めているように見受けられます。
しかし、今、世界に必要なことは、「自国の利益優先ではなく、世界を俯瞰し、世界全体が安全、平和に生きていける秩序の構築」であり、大国のわがままな意向により世界秩序が再編されても、「栄枯盛衰」再び、新たな我欲の強い権力層にその秩序は打ち壊されるという輪廻の運命を辿りましょう。
「我欲を捨て、大局的見地からの世界秩序の再構築」を望む私にとっては、全く正反対の方向に世界は動いていると見え、如何にして対応したら良いか、大いに悩んでいます。出来るところから、草の根から粛々と、とは思いますが、「我欲の力」は予想以上に強いです。
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