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2018-03-06 00:00
(連載2)移民問題と人種・民族差別問題
倉西 雅子
政治学者
かつて、黒人の人々はアフリカ大陸から“労働力”としてアメリカ大陸に売られてきましたが、今日の移民もまた、それが自発的であれ、経済効果が期待されている“労働力”の利用という側面には変わりはありません。実際に、この問題は、アメリカのトランプ大統領の当選のみならず、イギリスのEU離脱にも決定的な影響を与えましたし、ヨーロッパ諸国で見られるポピュリスト政党とも称される反移民政党の躍進もこの問題に起因しています。
移民問題と人種・民族差別、あるいは、人種・民族間摩擦の原因が人の移動にあるならば、こうした問題を未然に防ぐ方法は、論理的、並びに、常識的に考えれば、国境における人の移動規制(国境管理の厳格化)をおいて他にはないはずです。にも拘らず、被害者であるはずのマイノリティーの人々も、移民政策に積極的に賛意を示しているのですから、不可解この上ありません。
また、こうした問題を引き起こした実行者も、何故か、批判を免れています。実のところ、奴隷貿易が奴隷商人の手で行われたように、今日でも、その多くが人材派遣業といった事業者のビジネスとして行われている現状を鑑みれば、国境を越えた人の移動で利益を上げる事業者に対する規制も強化されるべきです。
日本国では、短期間の間に外国人人口が247万にも急増したにも拘わらず、政府は、今後も外国人への労働市場開放を促進する方針を示しておりますが、この方針は、果たして正しいのでしょうか。人を“商品”、即ち、“もの”として扱った“つけ”は、社会的摩擦や対立、あるいは、差別問題として、本来、何らの責任もない一般の国民、並びに、移民の人々の双方に負わされることになるのですから、歴史の過ちを繰り返してはならず、移民政策には慎重であるべきなのではないかと思うのです。(おわり)
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