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2018-03-05 00:00
(連載1)移民問題と人種・民族差別問題
倉西 雅子
政治学者
アメリカは、その歴史において人種・民族の違いから生じる諸問題と格闘し、苦しんできた国です。この問題は、差別問題として扱われがちですが、常々不思議に思うことは、問題解決に際して、その発生原因にまで遡って語る人がほとんどいないことです。
社会の表面に現れた現象としては、主としてマジョリティーである白人によるアフリカ系、ヒスパニック系、及びアジア系といったマイノリティーに対する差別に焦点が当てられており、問題解決に際しても、メルティング・ポット(融合政策)方式やサラダ・ボール(併存政策)方式、あるいは、アファーマティブ・アクションといった社会政策が議論されてきました。何れにあっても、教育を介した差別意識の解消やマイノリティーに対する優遇措置などが政策的な解決策とされ、現状に対する対処法に留まっていたと言わざるを得ないのです。
しかしながら、冷静になってこの問題の発生原因を探りますと、そこには、移民問題という、現在、あらゆる諸国が抱えている問題との共通項が見えてきます。何故ならば、こうした問題は、歴史を経て形成されてきた自生的な集団から切り離され人々が、別の集団の内部に移入することによって生じるからです。
奴隷貿易は国際法でも国内法でも人道に反する行為として既に禁止されていますが、経済のグローバル化を背景に、国境を越えた人の移動は今日でも活発です。このことは、特に“新大陸”を人種の坩堝と化した奴隷貿易が消滅したとしても、人種・民族間の摩擦問題は、なおも起こり得ることを示しています。(つづく)
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