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2018-03-01 00:00
RCEPについて
真田 幸光
大学教員
先般、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の21回目交渉官会合がインドネシアの古都・ジョクジャカルタで開催されました。まだ、協議が進んでいるとは言え、米国の離脱により先行き不透明となっているTPPの交渉を横睨みしながら、中国本土や韓国が高い関心を持っていると思われるこのRCEPの交渉の進展具合は気に掛かります。そして、TTPにもRCEPにも関与する日本の動きは注目されると思います。
今回のRCEPの会合では、参加国はRCEP妥結に向け、迅速な進展が必要な商品・サービス・投資などの市場アプローチや原産地分野などについて協議しました。そして、上述した、そしてTPPには加盟していない韓国政府などは、TPPに先行してこのRCEPが効果的に始動していくように、「韓国政府は国益を最大化するが、その一方、合理的な折衷案を模索し、交渉を速やかに妥結させる計画である」と果敢な交渉を展開したようです。さて、そもそもこのRCEPの交渉は2013年から始まっており、関税引き下げや投資などの分野で自由化のルール作りを協議しているものであります。
この交渉には、日本や中国本土、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加していることはご高承の通りであります。RCEP、「Regional Comprehensive Economic Partnership」は日本では「東アジア地域包括的経済連携」と呼ばれ、上述した16カ国が参加する広域的な自由貿易協定のことで、「メガFTA」などとも呼ばれています。RCEPが本格的に実現すれば世界の人口の約半分、世界のGDPの約3割、世界の貿易総額の約3割を占める広域経済圏が実現することになる為、米国や欧州も大いに関心を払っています。
そして、何よりも、「世界的な影響力を拡大する中国本土が、リーダーシップを取り、東南アジアや韓国をも巻き込みながら、アジアでの基盤を固め、中東やアフリカに更に食い込む契機とするのではないか?」との見方もあり、拡大する中国本土を念頭に注目される国際連携の動きともなっています。今後も注視したいと思います。
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