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2018-02-01 00:00
中仏関係について
真田 幸光
大学教員
以前にもご報告をした通り、私は、「中国本土政府は中長期的戦略の下、AIIBと一帯一路政策をセット化して展開、海外から資金を集め、その資金を一帯一路のルートにある国々に投融資し、それをもって、中国本土企業が展開するインフラ開発案件を受け入れさせ、あるいは中国本土の消費財を購入させる。そして、こうして一帯一路のルートにある国々にばら撒いた資金を再び中国本土に戻し、利益を得ると言う仕組みを本格的に遂行し始めている」と見ています。そして、こうした交易が拡大する一方、経済力のついた中国本土の富裕層を対象にして、一帯一路の終着駅に近い、所謂、西欧先進国からは、「価格は高くても品質の良い、中国本土ではとても購入できないような品々」を輸入するビジネスモデルを確立、即ち、中国本土が、「西欧先進国の顧客となって」これら西欧先進国との関係強化を図るという、「したたかであり、合理的な」経済外交戦略を推進していると見ています。
そして、そうした中国本土に対しては、既に、「ドイツ」がより深い関係強化に向かった動きを示していると共に、Brexitを控えた、「英国」も一帯一路戦略の終着駅国として、中国本土との関係強化に舵を切っていると私は考えています。こうした中、最近では、そもそも、中国本土との関係が相対的には太いフランスが改めて、中国本土との関係拡大に向かって動き始めていると思われます。即ち、中国本土を本年年初に訪問したフランスのマクロン大統領は、中国本土の習近平国家主席と、北京の人民大会堂で会談、その会談後の共同記者発表では、中国本土の習国家主席が、「中国本土が主導する経済圏構想である“一帯一路”政策へのフランスの積極的な参加を歓迎する」と述べ、中仏の協力関係を更に深めていく意向を示しました。
これに対して、フランスのマクロン大統領も、この中国本土が主導している一帯一路政策について、「フランスとしても、中国本土と共に取り組んでいく意思を習国家主席に伝えた」と述べ、参加する意向を表明しています。私の認識では、フランスは、元々は中国本土に近い国と見られていますが、この一帯一路政策については、これまでは、中国本土の覇権主義的な動きとして警戒感を示していきました。
しかし、上述したようにドイツや英国も中国本土寄りの姿勢を示す中、ここにきて、フランスとしてもその経済的メリットなどを追求すべく、中国本土寄りに立場を転換してくるものと思われます。そして、マクロン大統領は、「私たちには自由や普遍的な権利についての違いがあり、そのことへの懸念を習国家主席に示した」と述べ、大国・フランスの威信を示し、中仏両国の間にある民主主義の価値観の隔たりがあることを改めて言及しましたが、しかしながら、やはり背に腹は変えられぬとばかりに、中国本土との関係強化に向かって動いていく姿勢を示したのであります。このように、世界の主要国を飲み込み始めて拡大する中国本土の動きを今後も注目したいと思います。
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