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2018-01-18 00:00
(連載1)南北“示談”による米韓同盟の行方
倉西 雅子
政治学者
2018年1月9日、朝鮮半島では、2年ぶりとされる南北両国の閣僚による会談が開かれました。新北派で知られる文在寅韓国大統領のたっての願いが叶えられたわけですが、南北の歩み寄りは、今後の東アジア情勢にどのような影響を与えるのでしょうか。
当初、同南北対話では、議題は、平昌オリンピック問題のみに絞られると報じられていました。しかしながら、議題限定化の予測に反し、韓国側からは、目下の懸案である核・ミサイル問題も提起されたようです。この非核化の提案に対して北朝鮮側は無視を決め込んだものの、平昌オリンピックへの北朝鮮の参加と協力、並びに、朝鮮半島の緊張緩和や軍当局レベルでの会談等については合意に達し、一定の成果が強調されています。
今後の展望として、文大統領は、南北首脳会談の実現まで視野に入れているそうですが、同大統領が対北融和政策の行き着く先をどのように描いているのか、疑問なところです。仮に、南北統一であれ、“二国共存”の相互容認であれ、それが南北間の和解、即ち、朝鮮戦争の終結(講和)を意味するならば、アメリカとの同盟は、最早、必要ではなくなるからです。
朝鮮戦争とは、北朝鮮による奇襲的な韓国侵攻を国連安保理が“侵略”と認定し、米軍を中心とした国連軍が侵略国である北朝鮮に対し、武力を以って排除しようとした戦争です。北朝鮮は、平和を破壊する加害国として位置付けられ、国連軍は、多大なる犠牲を払って被害国である韓国を軍事力を以って救済したのです。ところが、南北両当事国が和解するとなりますと、事実上、加害国と被害国とが“示談”したこととなります。そして、米軍をはじめ、“平和の敵”と戦うために軍隊を派遣していた諸国は梯子を外され、犯罪国家である北朝鮮から被害国である韓国を守るという意味での“世界の警察官”の役割も宙に浮いてしまうのです。(つづく)
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