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2007-04-10 00:00
アーミテージ氏およびナイ氏の報告
木下 博生
(財)日米平和・文化交流協会理事
去る2月16日、表記2氏は、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)から、「2020年に向けてのアジアにおける米・日同盟」と題する報告書を発表した。その内容は、マスメディアを通じて伝えられているから詳しく説明しないが、両氏が6年前に同様のテーマについて述べたと同じトーンで、今後ますます重要性を高めるアジアにおいてアメリカが国益を伸ばすためには、日本との同盟関係に加えて、米国、日本、中国の良好な関係を育てるべきであると主張している。
私がここで紹介したいのは、この報告に付されている「安全保障と軍事協力」という付属書で取り上げている勧告である。アフガニスタンやイラクで行ったような日米の軍事面での協力やミサイル防衛面での協力を、今後もますます進めて行くべきだと勧告しているのは当然として、それに次ぐ優先度で、日本の武器輸出三原則の更なる緩和や日米防衛産業の協力の強化を勧告している。
日本からの米国向け武器技術供与を中曽根内閣が認めたのは、1983年であった。当時、アーミテージ氏は、国防次官補をしており、この日本政府の決定を高く評価していた。私は、そのころ防衛庁でこの仕事に関わっていたが、これを第一歩として、米国向けに武器輸出三原則を緩和する措置は、徐々に拡大するものと期待していた。
ところが、それから23年、若干のミサイル防衛分野を除いて、三原則の運用は殆どそのまま。両国の防衛産業の相互協力などを容易に進めることができる状況にはなっていない。アーミテージ氏やナイ氏だけではなく、日米の防衛産業関係者は、しびれを切らしているのである。この報告をきっかけにして、この分野における具体的な展開を期待したい。
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