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2017-10-30 00:00
(連載1)米国の為替操作国と中韓について
真田 幸光
大学教員
私の経験則から申し上げますと、私は、「人間は自らが強くなると、その自らの論理を他者に押し付ける傾向がある。そして、その背景には、人間の持つ、欲得が存在している場合が多い」と感じています。人間の倫理観から言えば、「強者は弱者を思う。一方、弱者は強者を頼らず自力再生する」ことが重要であると私は考えますが、実態はそうでないことが多く、それは、人間の集まりである国同士の関係の中でも見られます。即ち、「強者の論理」がまかり通りやすい世の中になっており、人間は、そうした現実の中で、「折り合いをつけながら」生きているようにも思います。
さて、「基軸通貨」という武器を現在、背景としている米国が、その強者の立場を利用して作っている身勝手なルールの一つをご存知ですよね? 米国は、「為替操作国認定」と言う極めて身勝手な国内ルールを作っています。この為替操作国とは、米国において、外国為替相場(為替レート)を不当に操作していると認定された対象国を言います。
これは、米国財務省が年二回、連邦議会に提出する、日本を含めた米国の主要貿易相手国を対象とした「為替報告書(Semiannual Report on International Economic and Exchange Rate Policies)」の中で、対米通商において優位な立場を取るために、介入などで為替レートを意図的に操作している(輸出に有利になるよう通貨安に誘導している)と米国が認定した国のことを指します。一般に為替操作国の認定は、米国の視点での一方的なものですが、その影響は大きく、実際に認定された場合は、二国間協議が実施されるほか、米国だけでなく各国(同様に貿易摩擦がある国)から通貨切り上げが要求されるケースも出てきます。
しかし、「為替レートを意図的に操作している国」が対象となるのであれば、世界がよく知っている事象とすれば、例えば、「1985年のプラザ合意」などは米国が国際会議と言う場を通して、意図的に為替レートを操作した事態である訳であり、米国は、自らが為替操作をしていることを棚に上げて他国のことを責めていることになります。これも、強者の立場を利用しての行為とも言え、世界は、「現実との折り合いをつけながら」米国の顔色を見てその対応方法を考えているようにも思います。(つづく)
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