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2017-10-23 00:00
(連載1)北朝鮮情勢と米中露について
真田 幸光
大学教員
昨今の北朝鮮情勢を巡り、国際社会では、トランプ大統領と安倍首相の国連演説を機に、一層、「対話か圧力か?」が注目されています。こうした状況にあって、韓国ではかつてより、「北風と太陽」と言うイソップ寓話のひとつが意識されてきました。
皆様、よくご存知の通り、この寓話の教訓は、「物事に対して厳罰で臨む態度と、寛容的に対応する態度の対比を表す言葉として用いられる。そして、手っ取り早く乱暴に物事を片付けてしまおうとするよりも、ゆっくり着実に行う方が、最終的に大きな効果を得ることができる。また、冷たく厳しい態度で人を動かそうとしても、かえって人は頑なになるが、暖かく優しい言葉を掛けたり、態度を示すことによって初めて人は自分から行動してくれる」と言った内容が包含されていると理解されています。従って、強硬な姿勢を示す北朝鮮に対しても、「融和を以って解決することが先決である」との議論が生まれ、国際社会もここまでは我慢を重ね、対話の努力をしてきたのでありましょう。
しかし、前述したトランプ大統領と安倍首相の発言は、平たく言えば、「もう堪忍袋の緒が切れた!!北朝鮮、いい加減にしないといよいよ本気で怒るぞ!!」とかなり強烈にその意思を示したこととなります。そして、そうした内容は例えば、英語では、「President Donald Trump downplayed the possibility of a dialogue with North Korea after its latest missile test. In particular, they have sought to apply economic pressure through China, the only major ally of North Korea」と言った表現の中にも見られ、もはや対話は重要視しない、北朝鮮に対して影響力を持つ中国本土を通じて経済的な圧力を加えていくぞと言った姿勢が明確に示され、中国本土もこれに呼応するように、対北朝鮮取引の見直しに入り、例えば中核的な銀行の北朝鮮取引停止措置に出るなど、これまで以上に北朝鮮取引を限定的とし、制裁強化の姿勢を目に見える形で具現化してきています。
これにより、米中連携はいよいよ強化され北朝鮮がコーナーに追い込まれているとの見方も出てきていました。そうした中、私が今、注目しているのはロシアです。上記の英語のコメントで北朝鮮に対する唯一のサポーターは中国本土のみであるかのように書かれていますが、私はロシアがまだ影響力を持っていると見ています。そもそも北朝鮮建国の流れを見ると、北朝鮮建国の父である金日成氏(1912年4月15日~1994年7月8日)は、もともとは朝鮮の革命家・独立運動家であり、その後、北朝鮮の政治家、軍人となった人物です。(つづく)
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