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2017-10-17 00:00
(連載2)核兵器禁止の動きと韓国について
真田 幸光
大学教員
しかし、そこに矛盾と不公平も存在していることを意識する国々は、「核兵器禁止条約(Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons)」の批准を進めています。この核兵器禁止条約は、核兵器の全廃と根絶を目的として起草された国際条約であり、「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約」とも呼ばれています。この条約は、賛成123、反対38、棄権16で可決されましたが常任理事国で核保有をする安全保障理事会の拒否権を持つ常任理事国であるアメリカ、イギリス、フランス、ロシアは反対票を投じ、中国本土は棄権をしています。
一方、なんとあの北朝鮮は、この条約には、「賛成」をしています。また、唯一の核被爆国であり、平和憲法を持つ、我が国・日本は、米国などとともに、「反対」の姿勢を示し、また、米国の傘の下にあると見られるドイツ、カナダ、オーストラリア、或いは韓国なども事実上の不参加表明をしています。現実との折り合いとは言え、「核兵器の禁止」に向けた動きを推進する動きは萎え、暴力の連鎖の可能性が残る現実であります。
尚、核兵器禁止条約に関しては、南北朝鮮の動きが国連で見られました。即ち、軍縮を議論する国連総会第1委員会で10月6日、韓国と北朝鮮の代表が互いに激しい言葉の応酬を繰り返し、両国による非難合戦に各国大使らは顔を見合わせ、会場内が騒然となる場面もあったと報告されています。この委員会の冒頭、アルルーム議長(イラク国連大使)が核兵器禁止条約の採択に貢献し、2017年のノーベル平和賞に決まった市民団体を祝福した直後、演説した韓国の趙国連大使は、北朝鮮の核・ミサイル開発を、「核不拡散体制と国際社会の深刻な脅威だ。北朝鮮を止めなければならない」と述べ、国連安全保障理事会の一連の議の完全履行を各国に求めました。
これに対し、北朝鮮の慈国連大使は演説で、核兵器禁止条約は、「米国を含む核保有国が承認せず、先行きに暗い影を落としている。米国が北朝鮮への核の脅しをやめないなら、核戦力強化から1インチもひるまない」と訴え、核兵器禁止条約に賛成していない米国や韓国、そして日本も意識した発言をして非難合戦が行われたとのことであります。そして、こうした中、韓国国内では、核武装の必要性を前提とした議論が、特に日本を意識しつつ、出てきています。こうした現状を見るにつけ、私は、「人類は本当に真の平和を望んでいるのであろうか?」と疑問を感ぜざるを得ません。これも、「現実との折り合いをつけようとする結果」なのでしょうか?(おわり)
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