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2017-10-13 00:00
(連載2)教育無償化はマルクスのマニフェスト
倉西 雅子
政治学者
こうしたあべこべ現象が、労働者や兵士を扇動して起こした共産革命が、その実、世界大のネットワークを有する非国家勢力による詐術的陰謀であったとする説の信憑性を高めているのですが、マニフェストに掲げられた教育無償化についても、隠れた目的があったと推測されるのです。
それでは、教育の無償化においてマルクスは、何を意図したのでしょうか。おそらくそれは、教育権の独占による伝統的な家庭の破壊、並びに、砂状化された国民の直接的、かつ、全人格的な支配ではなかったかと思うのです。社会・共産主義国では、確かに教育の無償化は実現していますが、幼少より親元から引き離され、共産主義を絶対思想とする洗脳教育が施された結果、国民は、イデオロギーの檻に閉じ込められています。
国家、否、共産党、あるいは、独裁者に直接忠誠を誓う存在にこそなれ、国民は、自由な空間を失い、政府が定める型通りの生き方に嵌められてしまうのです。男女ともに区別なく労働に従事し、家庭はなく、歴史や伝統もなく、子供達は、国家によって家畜の如くに心身ともに調教されると云う…。全体主義国家の恐怖を描いたジョージ・オーウェルの『1984年』という小説も、マルクスの『共産党宣言』が出版された1848年という年を意識して命名されているのでしょう。
戦後の日本の教育界も、全国津々浦々にまで日教組が組織され、社会・共産主義勢力が最も深く浸透した領域となりました。その一方で、今日の政治状況は、何れの国も、新自由主義という共産主義の亜流、否、それをも背後から操ってきた非国家勢力本体の強い影響下にあるとされています。何れの政党も、表看板にも政策内容にも若干の違いがあり、対立を装いながらも、共産主義のマニフェストが示した方向性と一致しているとなりますと、少子化対策とは名ばかりであり、いよいよもって、日本国の未来は危ういと言わざるを得ないのです。(おわり)
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