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2017-09-25 00:00
(連載1)米朝“話し合い”路線のリスク
倉西 雅子
政治学者
アメリカによる軍事制裁、及び、北朝鮮の暴発リスクを抱えつつ、北朝鮮情勢については、何が起きてもおかしくない混沌とした状態が続いております。不測の事態もあり得る中、北朝鮮の後ろ盾となってきた中ロのみならず、ドイツのメルケル首相をはじめとするリベラル派を中心に、“話し合い”による解決が提唱されています。しかしながら、“話し合い”による解決を求める主張には、無自覚であれ、“まやかし”があるように思えます。何故ならば、全く基本方針の違う米朝両国の“話し合い”路線を一緒くたにしているからです。
アメリカの立場としては、北朝鮮問題の基本的性格は“国際刑事事件”であり、違法に所持した凶器(核兵器やICBM等)を振り回し、国際社会を脅迫する暴力主義国家への対応としての側面が強く、武力行使も軍事的手段による危険の排除の意味合いが色濃くなります。いわば、犯人の手から凶器を取り上げる、即ち、国際社会における警察官の役割とも言えます。
それ故に、アメリカが求める“話し合い”路線とは、警察官の突入前に降伏した犯人に対して、凶器の保管場所や製造場所を白状させ、これらを押収・破壊すると共に、二度と凶器を手にできないように厳重に監視することにあります。同路線における米朝対話とは、これらの目的を実現するための方法や手段を北朝鮮に通達する場なのです。
一方、アメリカを“警察”ではなく“敵国”と見なす北朝鮮の立場からすれば、自国の核・ミサイルの保有・使用は、朝鮮戦争の延長線上にある“政治問題”です。北朝鮮は、武力による南北統一、並びに、自国の防衛を理由に、法で禁じられた兵器を開発・所有し、それを政治的目的のために利用しようとしてきました。ここに、国際法違反を伴う“国際刑事事件”の“政治問題”への巧妙なすり替えを見て取ることができます。(つづく)
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