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2017-09-12 00:00
(連載2)ロシアについて
真田 幸光
大学教員
しかし、私には、「投機性資金の流入による見せかけの景気回復」としか映らず、ロシアの一般市民は今のところは、景気回復感をあまり感じていないであろうと見ています。一方、ロシアの実質GDP成長率は、2017年4~6月期に前年同期対比+2.5%となっており、また、2017年通年の成長率は前年対比+1.5%~2.0%と、2016年の同-0.2%から改善するとの予測が示されており、こうしたマクロの数字で見ると、バブルを背景としているとはいえ、ロシア経済は景気回復していると見ておきたいと思います。
そして、こうした係数から見たロシア経済の成長期待の高まりに加え、実質政策金利が高水準にあることから、これがまた、ルーブルを下支えしているとも言えます。しかし、いずれにしても、原油価格の先行きと欧米の対ロシア制裁による影響が不確定要因であり、変動幅が大きくなる可能性もあることを留意しておきたいと思います。
さて、マクロの数字で見る景気回復トレンド、そして、通貨・ルーブルの堅調を背景に株価も堅調に推移しそうな雰囲気です。そしてまた、アメリカの利上げが具現化すれば、利上げは資産価格に悪影響を及ぼすため、投資家は米国株を売りロシア株を買いに来る局面もあり得ると私は感じました。そして、ロシア株の中には配当が10%を超える優良株もあり、配当を受け取りながら長期で株を保有し得る投資家は、短期的な下落を気にする必要もなく、ロシア株を買いに来る可能性もありそうです。このように、世界的な資金余剰の中、投機先を探る国際金融筋のカモにロシアの通貨・ルーブルとロシア株が晒される可能性がある、即ち、暫くはまだ、ロシア金融市場は堅調に推移すると私は見ています。但し、リスクとしては原油が再び下落する可能性と、トランプ政権がアメリカ政府内の反ロシア勢力に押され、親ロシア的政策が取れなくなる可能性を留意しておきたいと思います。
一方、もし米国のトランプ政権によってアメリカが親ロシア的政策を取り続けることとなれば、プーチン大統領の外交政策のみならず経済政策にもプラスに働き、プーチン大統領は、「軍需産業の民需産業への転換」を図りつつ、ロシア経済の本格的な底上げに入ってくるものと思います。北朝鮮問題で、米露の足並みが乱れず、中国本土とのパワーゲームの中でロシアが国際社会の中で良いポジションを取れるのか否か、引き続き注目したいと思います。(おわり)
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