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2017-07-25 00:00
(連載2)日韓経済協力について
真田 幸光
大学教員
また、例えば、政府間ベースでは、慰安婦問題や靖国神社問題などを背景に、関係は一向に「本格的」改善を見ずといった状況にあることはご高承の通りであります。こうしたことでは、如何に、正論を解き、これを具現化しようとしても、具体的成果は上がらないと思います。
「違いを共に生きる」日韓双方がお互いを尊重しつつも、「ハード・ネゴシエーション」をしていかないと、こうした状況は一向に改善されないと、韓国ビジネスに携わってから33年の私は痛感しています。そうした意味では、例えば、先にご紹介した韓国の先生もコメントされていた、第四次産業革命を意識した、ものづくりの世界標準作りを行う、日韓共同コミッティーを構築し、これを日韓の相互議論のプラットホームにしつつ、そこで、先ずは日韓がハード・ネゴシエーションをしながら、日韓のものづくり基準を世界標準にしていく努力をしていけば、日韓の相互信頼関係が構築されるきっかけとなるかもしれないと私は考えています。
尚、大韓商工会議所と日本商工会議所は、先日、北海道・富良野で「第11回韓日商工会議所首脳会議」を開催しましたが、大韓商工会議所の朴会長は、開会挨拶で、文大統領と安倍首相が特使を派遣し合い、先の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で会談したことに言及しながら、「今年はもう2~3回会うことになると思う。こうして頻繁に会う中で両国が実用的で成熟した協力パートナー関係に発展し、北東アジアの安定と協力にも寄与するよう願っている」と明言、また、両国の協力が期待される分野としては、「新産業と来年の平昌冬季五輪である」と強調しています。
更に、朴会長は「IoTや人工知能(AI)など多くの分野でデータの蓄積が必要である。これらの分野で先を行く国々に追いつくため、北東アジアの主要国同士でデータを流通・共有するシステムを構築し、協力することができる。また、五輪の行事をはじめ大会後の施設活用、地域発展などを巡って意見交換できるよう期待している」ともコメントしている点、注視したいと思います。(おわり)
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