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2017-07-06 00:00
(連載1)日EU経済連携協定
緒方 林太郎
衆議院議員(民進党)
何となく盛り上がっているようで、あまり盛り上がっていない日EU経済連携協定ですが、先日党内で聞き取りをしました。その中で幾つか気になっている事を質疑しました。その中でも、大きいだろうなと思うのは「英国の扱い」です。今回の交渉では英国を含む形で交渉を行っているとの事でした。しかし、いずれBrexitでEUから離れていくわけですから、どういう結論であろうとも少なくとも現在の関税同盟からは外れます。となると、そもそも現在EUの単一権限で交渉している範疇から外れます。
なので、日EU経済連携交渉が纏まったとしても、英国が抜けた段階で再交渉が必要となります。特に農林水産品で関税割当を設定しているものについては、英国分については関税割当の枠を小さくする事になるでしょう(でなければ、英国分について過剰な割当枠を提供している事になりますので)。国会承認との関係でも、日EU経済連携協定、(数年後に)再交渉分と2回掛かって来る事が現時点で既に確実なものとなっています。始めから再交渉が確実な協定というのも若干奇妙な感じはします。
それ以外にもEUにおける金融機関のシングル・パスポートの扱いがどうなるのか、という事も気になります。これは、EUに加盟するいずれかの国で免許を取得した金融機関は、他のEU加盟国においても金融商品の販売や支店設立などの業務が認められる制度でして、日本の金融機関は英国を入り口としてEUに入っていっているケースが多いので、ここがおかしくなると日本には影響大です。ここは日英間でも議論しているそうです。
その他、「和牛」、「日本茶」、「日本酒」といった地理的表示、商標、名称を保護する事は出来ないのかなという思いがあります。日本の仕組みではこれらの名称は保護されていません。例えば、現在国内法では「球磨焼酎」、「八女茶」といったものを地理的表示として保護していますが、多分、そういう名称を保護してもEU市場ではあまり意味がないと思うのです。むしろ、「Japanese Shotchu」、「Japanese Green Tea」という事で変なものが出回らないようにすれば、少なくとも当面はそれで十分のはずです。(つづく)
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