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2017-06-29 00:00
(連載1)日欧EPAはTPPよりリスクが低い
倉西 雅子
政治学者
“行き過ぎたグローバリズム”への批判が強まる中、日本国政府は自由貿易主義を維持する方針から、EUとのEPA締結に向けて交渉を重ねています。自由貿易主義へと潮流を戻すべくEUも積極姿勢に転じており、合意間近との観測も流れています。
それでは、イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ政権誕生の主要な要因となった“行き過ぎたグローバリズム”には、どのような問題があるのでしょうか。実のところ、広域経済圏を構成する国家間の間に著しい経済格差が存在する場合に、主として以下の問題が発生します。
第一の問題点は、移民労働者の移動です。イギリスでは、EUの基本原則である人の自由移動の結果、中東欧諸国から同国を目指して移民が押し寄せ、反EU感情を誘発することとなりました。この点はアメリカも同様であり、NAFTAには人の自由移動は原則に含まれないものの、不法移民の形でメキシコからアメリカに大量の移民が流入しました。この流れは、経済レベルの低い国から高い国への一方通行となります。
第二の問題点は、製造拠点の移動です。この問題は、先進国における産業の空洞化と称される現象であり、グローバル企業がより労働コストの低い加盟国に製造拠点を移すことで発生します。この結果、経済レベルの高い国は、深刻な雇用不安や所得の低下に悩むこととなり、トランプ氏を大統領に押し上げる原動力ともなりました。イギリスのEU離脱決定においても、EUが掲げる“サービスの自由(設立の自由)”に基づく海外移転による製造業の衰退は、有権者の判断材料の一つとなっています。製造拠点の流れも、経済レベルの高い国から低い国への一方通行となり、移民労働者の流れとは逆です。(つづく)
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