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2017-06-28 00:00
アジア安全保障会議について
真田 幸光
大学教員
先日、アジア太平洋諸国や欧米の国防関係者らが地域の課題を話し合う「アジア安全保障会議」が開催されました。このアジア安全保障会議は、IISS(The International Institute for Strategic Studies)(英国国際戦略研究所) が主催する会議であり、シャングリラ会合とも言われています。そして、この会議は、地域安全保障枠組の設立を目的として設置され、毎年シンガポールにおいて、アジア太平洋地域の国防大臣などが多数参加する国際会議であり、地域の課題や防衛協力などが話し合われており、日本からは稲田防衛大臣も参加、また今回は第16回となります。そして、今回は核ミサイルやテロなどの脅威が高まる中、各国が情報共有や外交交渉を通じ一致して課題に対処する必要性を確認したとされています。
また、会議の中では東南アジア諸国連合(ASEAN)のレ・ルオン・ミン事務局長らが講演、フィリピンやタイなど、東南アジアでイスラム過激派組織「イスラミックステート」系のグループによるテロが相次いでいることが報告され、過激派の動向などの情報を各国で共有することなどが話し合われました。更に、今回のアジア安保会議では、米国のマティス国防長官らも出席し、北朝鮮の核・ミサイル開発や、中国本土による東・南シナ海への進出などについて、各国が意見を交換しました。そして、全体会議では、中国本土が進出を強める南シナ海の問題が話題となった上で、米国のマティス国防長官が、その全体会議前日に、この問題で中国本土を強く批判したことに、当事者となる東南アジア各国は歓迎の意を示す一方、同時に懸念の声も上がりました。
私から見ると、特に、北朝鮮問題への対応では、米中の協調は不可欠とも思われる中、米中自身がこうした対立の溝を深め、更に、東南アジア諸国間にも対立が生まれれば、それこそ、イスラム系過激派や北朝鮮の思惑通りとなるかもしれないと考え、懸念が深まります。「こうしたことで、真の協調関係を構築することが出来るのか?」との思いが募ります。
或いは、米中の軍事的思惑やその駆け引きの中で、日本も韓国もそして、東南アジアの国々も翻弄されてしまうのか、とも感じられます。しっかりと動向をフォローしなくてはならないと思います。そして、私たちは、アジアの安全保障に影響力が強いと見られるロシアやインドの動きも留意しなければなりません。軍縮を目標としながらも、実は軍拡に向かい始めるのではないかと思われる世界情勢を見つつ、難しい時代となっていると思います。
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