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2007-03-23 00:00
海外の大学での日本研究に対する支援について
上田 勇
衆議院議員
最近、アメリカと中国の大学関係者とそれぞれ懇談する機会がありました。一回は、私が1984~86年に留学したコーネル大学ビジネス・スクール(ニューヨーク州)の教授たちと、もう一回は、南開大学日本研究院(天津市)の日本政治・経済の研究者たちとでした。南開大学は、中国における日本研究の拠点的な存在であり、私は同研究院で講演を行うなど交流を続けています。二回の懇談では、まったく異なった分野の話題でしたが、その中で両者に共通していたのは、日本の官民とも外国の大学での日本研究に対する関心が低下していることへの懸念でした。
アメリカの大学では、1980年代を通じて日本のプレゼンスは相当大きいものでした。日本企業等からかなりの額の寄付や委託研究が行われており、企業名の冠のついた研究室なども多くありましたし、多くの社員等を留学生として派遣していました。当然のことながら、日本に関する関心も高まり、研究も盛んになっていました。ところが、90年代以降、日本の影が著しく薄くなってしまいました。アメリカの大学は世界中から優秀な学者・学生が集まるところであり、日本の政治・経済・文化に対する関心を高めておくことは日本の国益に適うことであり、最近の状況は好ましいことではないと考えます。官民あげて問題意識をもって対応していかなければならないのではないでしょうか。
中国の大学では数多くの優秀な学者・学生が日本の政治・経済を研究しています。知識層に知日派・親日派を育てておくことは、今後の対中関係にとって有益なことであり、大学に対する経済協力は重要な手段になりえます。政府として、情報通信設備の整備、建物などの施設整備、日本研究者・学生に対する奨学金の提供、日本の大学・研究機関等との交流の拡大などさまざまな協力が可能でしょう。
対中国ODAの見直しの中でインフラ整備等への経済協力の金額が削減されているのは、経済力の伸長を考えれば当然のことだと思います。一方、日本研究を行っている研究・教育機関に対する支援は、現状では十分とは言えません。インフラ整備に比べて少ない金額で、中長期的に見て大きな効果が期待できると思いますので、政府の対中国ODA見直しの中で、こうした分野での支援を拡充するよう働きかけていきたいと考えています。民間企業等でもビジネス環境の改善にも資することであり、国際・社会貢献の一環として、研究・教育機関への支援を拡大してもらえることを期待します。
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