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2017-06-24 00:00
(連載2)「みちびき」について
真田 幸光
大学教員
そしてまた、これは、日本にとっては、ミサイル防衛やミサイル誘導という、実は安全保障上の目的にも使い得るものであり、日本にとっては大きな財産となると期待されます。こうしたことから、日本が今般導入した「みちびき」のプロジェクトは多角的な視点から注目していくべきものであると私は考えています。
しかし、こうした日本が米国と連携してミサイル防衛とミサイル誘導のシステム強化を図ることに対しては、中露とも警戒感を示しており、中国本土は、日米の日本海や東シナ海海域・上空近くで展開される合同軍事演習を懸念したり、韓国に配備された米国のTHAADなどを厳しく批判しています。
そして、ロシアに関しては、プーチン大統領自ら、北方四島問題に関連する形で「日本の主権下に入れば、これらの島に米軍の基地が置かれる可能性がある」と述べつつ、日米安保条約が適用される現状では日本への返還は難しいとの認識を示し、制宙権を意識した日米連携を危惧する発言をこの時期に行ってもいます。
上述したような平和利用としての「みちびき」の効果を期待する一方で、中露がこうした警戒感を示していることを私たち、日本の民間人も一応、念頭に置いておく必要がありそうです。(おわり)
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