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2017-06-23 00:00
(連載1)「みちびき」について
真田 幸光
大学教員
世界は「制空権ならぬ制宙権」を強く意識して、パワーゲームを展開することを意識し始めています。「宇宙を制する者は世界を制す」であり、中国本土などは、自国単独で宇宙開発を推進し、着々とその権益を広げているものと思われます。これに対して、我が国・日本は米国の庇護の下、「制宙権は米国任せ」といったところがありました。
しかし、こうした一方で、日本でも、カーナビやGPS機能がついた携帯電話の普及によって、人工衛星を使った測位情報は私たちの暮らしに欠かせないものとなってきています。そして、測位衛星により位置を特定するためには、最低4機の人工衛星から信号を受信する必要がありますが、これまで日本国内の都市部や山間地では、高い建物、山などが障害となって4機の人工衛星からの測位信号が届かないことがあり、測位結果に大きな誤差が出ることが度々ありました。
こうした中、今般、日本政府が主導となり開発、遂行された「準天頂衛星システム・みちびき」は、「準天頂軌道」と言う日本のほぼ天頂(真上)を通る軌道を持つ人工衛星を複数機、組み合わせた衛星システムとなっており、現在、運用中のGPS信号やアメリカが開発を進めている新型のGPS信号とほぼ同一の測位信号を送信することで、日本国内の山間部や都心部の高層ビル街などでも、測位できる場所や時間を広げることができるようになりました。
準天頂衛星システムは、補強信号の送信等により、これまでの数十メートル程度の誤差だったGPSに比べて、1メートル程度、更にはcm級へ測位精度の向上を目指して作られたものです。普段カーナビを使っている方の中には、現在でも十分実用に耐え得ると思われる方もいるかもしれませんが、「みちびき」と言う衛星測位システムは、カーナビ以外にも、(1)地図作りや建築作業に欠かせない測量、(2)子供や高齢者の見守りサービス、(3)農業機械等の自動制御、(4)地震や火山の検知、(5)天気予報など、応用範囲が広がっており、それに伴い精度や信頼性の向上等の高度化が求められていることから、今後、これまでにない位置情報を活かしたサービスも生まれるかもしれません。(つづく)
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