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2017-06-21 00:00
(連載1)テロ等準備罪
緒方 林太郎
衆議院議員(民進党)
共謀罪法案について、私は一度委員会質疑に立ったことがあります。この法案に際し、テロを押し込もうと無理をしたため、結局「主義主張」の部分を無効化しないといけなくなった経緯があります。テロ犯罪集団が持っている主義主張は、すべてテロの定義における特定の主義主張になるわけですから、結果としては無効化されてしまいます。世界の様々なテロの定義を私も学びましたが、主義主張の所が欠落している定義はありません。そういう意味で、今回、日本は恐らく世界の何処にも存在しない極めて広範なテロの定義を採用したことになります。
しかも、他法令においても、横並びで意味合いをそろえなくてはならないので、特定秘密保護法等の他法令においても、主義主張の部分を無効化する事をやらざるを得なくなりました。今回の共謀罪法案に無理をしてテロを押し込んだ事は色々な歪みを生じていると思います。では、国際組織犯罪防止条約とテロとの関係は本当の所どうなのか、という根源的な問いが出て来ます。私の質疑ではその部分も勿論、聞いています。
まず、大前提として「国際組織犯罪条約とテロリズム犯罪との間に強い関連性(link)がある」という事を私は否定していません。ただ、「関連性がある」というのは双方は別概念であることを示唆しており、国連事務総長も「区別されるけど、その違いは不明確である。」と言っています。であれば、「テロ犯罪を含む国際組織犯罪」という言い方は誤解を招きます。何処まで行っても「テロ犯罪の一部を含む国際組織犯罪」でないとおかしいのです。
また、国際組織犯罪防止条約の前文にはテロリズムと言う言葉は一度も出てきていません。前文に無いという事は「テロ防止」を目的とはしていないという事です(これは国際約束や安保理決議の常識です)。更には、国際組織犯罪防止条約には、通常のテロリズム関連条約に含まれる、テロの対象となる人々の心理に関連する文言(例えば「intimidate」)が出て来ません。つまり、条約の作り全体がテロ防止を目的とはしていないという事です。(つづく)
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