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2017-06-12 00:00
証明されていない地球温暖化の原因
倉西 雅子
政治学者
アメリカのトランプ政権が「パリ協定」から離脱したことを受けて、各国首脳、並びに、マスメディアはトランプ批判一色の様相です。トランプ大統領は非科学的であり、かつ、アメリカの国益の為に全世界を温暖化の危険に晒していると…。
しかしながら、「パリ協定」を絶対視する人々は、温暖化ガスによる地球温暖化とは、実のところ、科学的に証明されているわけではないことを忘れております。温暖化には、太陽の活動周期、地下マグマの動向、海流や気流の変化などの様々な自然現象も絡んでおり、二酸化炭素の排出量ばかりが原因とは言えません。しかも、二酸化炭素の排出量が増加するほどに植物の酸素供給量も比例的に増えますので、必ずしも、二酸化炭素の増加量がストレートに地球を温暖化させるわけでもないのです。また、長期的には、地球は氷河期や小氷期を繰り返し経験しており、気候変動は、自然要因のほうが遥かに強く影響します。
加えて、「パリ協定」の手法には、必ずしもフェアとは言えない側面があります。この協定では、世界最大の温暖化ガス排出国である中国を枠組みに取り込んだとはいえ、2030年まで同国には削減の義務が課されていません。また、世界第二位の経済大国でありながら途上国として扱われているため、財政負担も免除されているのです。トランプ政権による協定離脱の主たる原因は、中国に対するアンフェアな優遇にありますが、「パリ協定」は、制度設計においても“科学的”、即ち、合理的ではないのです。また、温暖化ガスよりも、PM2.5といった有害な環境汚染物質の国際的取締を強化した方が、余程、確実に地球はきれいになりますし、人々の健康にも良い影響を与えることでしょう。こうした面でも、パリ協定は中国優遇協定と言え、トランプ政権のアンフェアであるとする主張には一理があるのです。
少なくとも、地球温暖化の原因を温暖化ガスに求める説については異論もあるのですから、オープンな科学的議論と明確な証明こそ優先すべきです。「パリ協定」は、真に科学的な見地から作成されたというよりも、政治、並びに、経済的な思惑が渦巻いています。「パリ協定」を金科玉条の如くに祭り上げ、温暖化ガスばかりに全世界の関心を集める今日のあり方には、疑問を呈せざるを得ないのです。
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