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2017-04-28 00:00
(連載2)トランプ政権による国境調整措置
緒方 林太郎
衆議院議員(民進党)
ただ、このアイデアについては、輸出についてはWTO補助金協定、輸入についてはGATTが伸し掛かります。つまり、直接税の免除は輸出補助金で禁止、間接税については「生産及び流通に関して課される間接税の額を超え」なければ輸出補助金として禁止されないのです。なので、仕向け地主義を間接税でやれば◎、法人税でやれば×という事になるわけです。
また、輸入において仕向け地主義を導入して、輸入品は損金扱いせず法人税課税してしまうと、何故、輸入品だけ課税されるのかという視点からGATT第3条の内国民待遇に反する可能性が高いのです。こういう条約上のルールがあるので、上記の国境調整措置はそうそう上手くは行きません。しかし、よくよく考えてみると、特に輸出の部分では、何故法人税の仕向け地主義が輸出補助金に当たり、間接税の仕向け地主義が輸出補助金に当たらないのかという、税理論上(条約上ではない)の論理的な説明をする事は簡単ではないように思います。一つ確実に言えるのは、付加価値税では仕向け地主義が世界的にスタンダードになっているという事なのだと思いますけども、そんな事はアメリカには関係のない事でしょう。
最後に三木財務大臣政務官はなかなか面白い答弁をしています。法人税への仕向け地主義を導入する事の意味合いを以下のように言っています。すなわち、(1)企業立地に中立な税制となり得る可能性がある、(2)輸出超過国にとっては税収減、(3)輸入品の値段が上がるので消費者の実質所得減となる、(4)輸入企業の競争力が下がる。
その他にも多くの論点があるので、今日はキックオフという事でやらせてもらいました。まだ、国会議員で関心を持っている人は僅かですが、この件は絶対に今後、日本において大きくなってくるテーマです。(おわり)
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