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2017-04-27 00:00
安倍は政権の緩みを引き締めよ
杉浦 正章
政治評論家
「東北でよかった」という投稿がツイッターで受けている。青森ねぶた祭や仙台の七夕の写真が添付され、美しい東北の桜や紅葉も満載だ。すがすがしいツイッターにエールを送りたい。それにつけても辞任した復興相今村雅弘の異常さはどこから来ているのだろうか。筆者は新入社員の面接の際は東大法学部というと身構えたものだ。どうも経験値からいうと、マスコミの場合は外れが多い。もちろん東大法学部卒は政治家でも岸信介、佐藤栄作など超大物がいて、極めてバランスがとれた政治を行ったが、当たり外れが多いのだ。今村は見事に外れた例だろう。どうも勉強しすぎの人間には人間性の幅がない。のりしろがなくて、遊び、ゆとりが感じられない。それが発言に出でてしまうのだ。そういう政治家は、閣僚どころか政治家にも不向きだ。
今村の発言危うさはその性格から見ても、いつかかは危険水域に到達するものであった。被災者が故郷に帰れないことを「本人の責任」と言ったころから、これはおかしいぞと感じていたが、ついに東日本大震災について「まだ東北で、あっちの方だったからよかった」と発言してしまった。ひとえに、こういう人物を任命してしまった首相・安倍晋三に責任があるし、本人もこれを認めている。政権の緩みを引き締め、態勢を立て直す必要がある。しかし、安倍のダメージコントロールは水際立っていた。4月25日夜の二階派のパーティーでの発言を安倍が聞いたのは、経済財政諮問会議終了後だ。発言を知ると、官房長官・菅義偉と協議の上、直ちに会場に駆けつけて「今村大臣の講演で東北の方々を傷つける極めて不適切な発言があったのでおわびする」と陳謝した。そして事実上の更迭に踏み切った。これだけスピード感のある対応は、半世紀の政治ウオッチで初めて見た。即断即決の危機管理が動いている証拠である。
ところが、自分の派閥で党に迷惑をかけながら、幹事長・二階俊博 の対応は月とすっぽんであった。なんと記者会見で今村の発言をめぐる一連の報道について、「政治家が何か話をしたら、マスコミが、余すところなく記録を取って、1行でも悪いところがあれば、『これはけしからん、すぐ首をとれ』となるが、なんということか。言葉の誤解はないほうがいいに決まっているが、いちいち首をとるまで張り切らなくてもいいのではないか」とマスコミ批判に転じてしまったのだ。ばかも休み休み言えといいたい。「マスコミが、余すところなく記録を取って記事にするから、今の安倍政権がある」ことを分かっていないのだ。マスコミが総じて民主党政権の有り様を否定したから、自民党に政権が戻ったのだ。二階にはどうも政治の見方に対する厳しさが足りない。マスコミは何でも政府・与党を支持するべきだという甘さがある。国会議員の活動の基本は言論であって、問題はすべて言論によって決定されるのが国会の有りようなのだ。言論の府の政治家はその発言が全てであり、その表現力には自らの政治生命がかかっていると思うべきなのだ。
安倍は土日返上で被災地を訪れ、被災者に寄り添ってきた。それにもかかわらず、こうした浅薄なる党内の発言が、まるでコツコツと積み上げたさいの河原の石を突き崩すことになる。そのことを自民党幹部は肝に銘ずるべきだ。一方、民進、共産など野党が鬼の首でも取ったように欣喜雀躍しているが、民主党政権のていたらくを思い出さざるを得ない。安倍政権は5年間で5人が辞めているが、民主党政権は3年間でなんと8人が辞任している。これに鳩山由紀夫と菅直人の辞任を加えれば10人が辞めている。鳩山はワシントンポスト紙に、「気が狂う」とか「頭が変な」という意味の「ルーピー」と名付けられたように、失言を繰り返し、首相を辞めてからはなんと「尖閣列島は係争地である」と宣うた。防衛相・小野寺五典が「国賊という言葉が一瞬頭をよぎった」とあきれたものだ。菅直人も福島原発で、あらぬ指示を頻発させて、へりで視察した結果、ベントを遅らせると言う致命的なミスをした。不倫報道されて「一夜を共にしたが、男女の関係は無い。こんなことに説明責任は無い」と発言したこともある。野党は他人の失言を追及している暇があったら、緊迫感が募る北朝鮮情勢の対応策でも提言してみてはどうか。この国難に野党はまるで知らぬ顔の半兵衛だ。野党は自らを省みて対応すべきであり、ゆめゆめテロ対策法などを人質に取って、国会審議を遅らせるような対応をすべきではない。集中審議などは本来北朝鮮情勢で行うべきだ。
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