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2017-04-14 00:00
(連載2)シリア情勢
緒方 林太郎
衆議院議員(民進党)
まず、日本が支持したのは(1)「決意」です。「行動」ではありません。そして、高く評価したのは一般論としての(3)「平和と安全に対するコミットメント」です。逆に「米国の行動」については、単に「これ以上の事態の深刻化を防ぐための措置と理解」しているに過ぎません。
メディアは「米国の行動を理解」と報じているところも多かったですが、これは間違っています。「理解」という言葉には幾つかの意味があり、「物事の筋道をさとること。わけを知ること。物事がわかること」というものと、もう少し踏み込んだ「人の気持や立場がよくわかること、相手の意をくみ取ること」といったものがあります。「米国の行動を理解」と書くと後者の意味合いになりますが、今回の安倍総理声明の「理解」は後者ではありません。単に「○○と承知している」程度の意味であり、非常に弱い表現です。
「なんだ、言葉遊びか」と思われた方もいるでしょう。しかし、この表現の違いは外交上とても重いのです。以前書いたブログでも紹介したのですが、1999年コソボ空爆の際、高村外相とオルブライト国務長官との間で緊張感あるやり取りをしています。高村外相は爾後、ある場所で「NATOによるコソボ介入の時に私は外務大臣であったのですが、それに対して私は当時『理解する』と言いました。『支持する』とは言わなかった。オルブライト国務長官から電話がかかってきて、『支持してくれてありがとう』と言いますので、『理解します』と答えたが、これを3回くらい繰り返した」と語っています。気まずい雰囲気だったことは想像に難くありません。
しかし、安倍総理の声明は上記(1)や(3)を述べる事で、出来るだけメディアに「支持」、「評価」という表現が踊るように誘導しています。そこまでやるのなら、単刀直入に「行動を支持」と言うという選択肢はないのかなと思い、「米国の行動は支持しないのか」という質問をしました。裏の裏まで読んでの質問でしたので官房長官は苦笑いしていましたが、最終的な答弁は「攻撃に対する国際法上の評価が定まっていない」という答弁でした。(おわり)
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