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2007-03-12 00:00
連載投稿(2)日本のコソボ支援のあり方
松元 洋
NPO日本救援行動センター(JARC)代表
同じスラブ民族であり、宗教的、文化的に、また言語上でも親戚関係にあるロシアはもともとセルビア寄りである。最近プーチン大統領は、バルカンの紛争をとうし米国がコソボに巨大な軍事基地を築き、またブルカリア、ルーマニアに空軍基地を設けたことに、神経を尖らせている。加えて、先月ポーランドとチェコに米国がミサイル防御網を広げることを発表したことにますます苛立っている。このような状況のもとで今やロシアがコソボの独立を容認する安保理決議に対し拒否権を行使することは否定しがたいと思われる。
コソボの独立はマケドニアの西部とセルビアの南部に居住する約50万のアルバニア人を刺激して、これら地域にコソボとの合併を希望する動きが高まるおそれがある。コソボに始まり、コソボに終わるとされたバルカンの民族問題は、必ずしもコソボで終わらない可能性が伺われる。
日本はチトー時代からバルカンに対しては特別な思い入れがあった。近年においては人道的観点からの緊急医療、農業、文化等の協力を継続し、コソボへの支援額は1億9千万ユーロに達し、またセルビアに対してもほぼ同額の支援がなされた。これらの支援は高く評価され、コソボとセルビアの日本との友好関係はこの上なく密接なものとなっている。そこで日本としてコソボの独立に関しどのような立場をとればよいのか、舵取りの難しいところかと思われる。多分一つだけ言いうることは、コソボが事実上独立に向かわざるをえないことを視野にいれながらも、ベオグラードとプリシチナ間の政治交渉、米国とロシアの軋轢等にはかかわることなく、経済的協力、人的交流、また、なお必要とされる人道的援助だけを双方とゆっくりと話し合い、今までに築きあげた緊密な関係を推進していくことではなかろうか。(おわり)
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