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2017-03-29 00:00
(連載1)韓国 三星グループの動向について
真田 幸光
大学教員
韓国トップ企業グループと言えば、現状では、やはり「三星グループ」でありましょう。かつては現代グループとの双璧でありましたが、その現代グループが事実上の構造変革を行った後は、「三星グループ一強時代」であったと言っても良いと思います。
韓国のこうした主要財閥は、良きにつけ悪しきにつけ、政権との距離を上手に取りながら、韓国経済を牽引する原動力となる一方で、ある種の「特権」を保障されてきた傾向は否めず、時に、政権に反発すると、大宇グループや上述した現代グループのように、その力がそがれるといった事態も発生してきたと思われます。
そうした中で、政権と上手に付き合ってきたはずの三星グループが、今回は大きな危機に直面することとなりました。しかし、今回三星グループを追いこんでいるのは、政権ではなく、「政権と三星グループが癒着し甘い汁を吸っている」と看做す韓国の一般国民、特に所謂、底辺の庶民の反発を強く買っているものと思われ、事態は厳しい状況にあります。
そもそも、これまでこの三星グループの競争力の源泉は、「一糸乱れぬ様」に代弁される、「マネージメント能力の高さ」と言われてきました。例えば、三星グループの主力企業である三星電子の「神話」は三星電子だけの功績ではなく、三星電機、三星SDIなど系列各社の役員が集まり、討論を行い、重複する投資や研究開発を防ぎ、必要な部分は支援し合い、相乗効果を生んだ効果と言われてきていました。(つづく)
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