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2017-02-27 00:00
(連載1)孤児著作物
緒方 林太郎
衆議院議員(民進党)
よく政府は保護期間の延長で「クールジャパンに資する」という言い方をします。私から「例えば、きゃりーぱみゅぱみゅさんについて、彼女はまだ20代半ば。平均年齢まで生きると仮定してあと60年生きる。それから50年保護されると、現在の作品はあと110年保護される。それが70年になって、130年保護されることによって、きゃりーぱみゅぱみゅさんの創作活動に何の影響があるの?」とある政府関係者に聞いてみました。結論から言うと、目を丸くされました。
また、1966年に逝去された方については、2016年末で著作権が切れました。2015末には谷崎潤一郎さん、江戸川乱歩さん辺りの著作権が切れています。ウォルト・ディズニーさんについは1966年逝去ですが、日本の戦時加算(太平洋戦争から講和条約まで著作権が止められているので10年強加算)があるので、ちょっと事情が異なります。今後、三島由紀夫さんや川端康成さんが数年以内にこの部分に入ってきます。その間に日米交渉でどうなるかによって、この辺りは変わってくるので、若干の制度的不安定さの上にあるのが現状です。
さて、先日予算委員会第四分科会で「孤児著作物」について質問しました。これは何かというと、「誰が著作権を持っているのか、そもそも著作権が切れているのかどうかすら分からない著作物」だと思っていただければOKです。ある統計では、50年前の著作物で今でも使われているものは2%程度との事。しかし、現在使われていなくても、偶然発見された秀逸なものが出てきた時、それがどういう状況なのかが分からないと、使う事の訴訟リスクを抱えます。
世界的に本件は問題になっていて、取り組みが進められてきています。日本でも文化庁は「裁定制度」というものを設けて、そういう孤児著作物を一定の条件を満たせば、文化庁長官の裁定の下で使っていいようにしています。とても楽しい歌まで作っておりまして、文化庁長官が一生懸命アピールしています。歌にもありますが、このメロディ良いけど、この曲でデビューしたいけど作曲家が見つからない、この漫画面白いけど作者が見つからない、あの名シーン使いたいけど俳優が見つからない、そんな事への対応です。(つづく)
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