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2017-02-07 00:00
(連載2)中国本土経済について
真田 幸光
大学教員
私も、そうした点に基本的には異論なく、中国本土政府は政府のしっかりした計画、管理の下、中国本土経済に、行き過ぎたバブルを起こさず、粛々と安定成長時代に移行していると思われ、そうした点を評価してもよいと考えています。尚、中国本土の経済成長率は過去2年、政府目標の目安を下回っていましたが、2016年は目標とした「6.5~7.0%」の範囲内に収まったと言えるのであります。また、直近の2016年10~12月期の経済成長率は6.8%となっており、8四半期ぶりに経済成長が加速しているとも報告されている点は付記しておきたいと思います。
一方、これと同時に発表された2016年の主要な経済統計によると、建物や工場などへの固定資産投資は8.1%増に留まっており、21世紀に入ってから初めて10%を割り込んだなどともコメントされています。この点に関しては、特に、民間企業による設備投資等各種投資が3.2%増と大幅に減速しており、中国本土企業が景気先行きに不安を抱いていることが垣間見られます。
しかし、13億5千万人と言う世界一の人口を背景として、現状では中国本土には潜在的な消費の需要が存在し、また、潜在的なインフラ開発の需要も存在しています。このことから、中国本土政府による意図的な景気拡大策の実施によって、経済成長率の更なる引き上げも政策遂行の仕方によっては可能であるにも拘らず、上述したように、政府自身が慎重に計画、管理、政策遂行していることは間違いなく、こうした点を踏まえ、私自身は、中国本土経済には「究極のリスク」は取り敢えずは存在していないと考えています。
つまり、中国本土経済は、今後、国際情勢、国際金融情勢の突然の変化による悪影響を受けなければ、今年も実体経済ベースでは安定成長も十分に可能であると私は考えています。そして、今暫くは続くであろう、「人民元安・米ドル高」を上手に捉えて、一旦は外需による景気の立て直しも試みてくる可能性があるとも、私は考えています。欧州の混乱、米国の不透明などを背景とし、世界経済を牽引する立役者としての中国本土の立ち位置は今年も基本的には変わらないと、期待感も含めて、見ておきたいと思います。(おわり)
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