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2017-01-31 00:00
(連載1)最近のフランス内政
緒方 林太郎
衆議院議員(民進党)
今年の欧州での大きな政治的イベントの一つ、フランス大統領選での候補者選考が進んでいます。先日、左派社会党の予備選第一回投票が行われ、ブノワ・アモン元教育相(Benoit Hamon)がトップ、マニュエル・ヴァルス前首相(Manuel Valls)が2位でした。3位のアルノー・モントブール元経済相(Arnaud Montebourg)は第二回投票ではアモン氏を推すと表明したので、アモン氏が左派の候補となってくる事が有力です。5年前、社会党の予備選挙でモントブール氏は3位となり、オランド候補支持に回り、オランド大統領の立役者となりました。逆に、ヴァルス氏は「確実な敗北(defaite assuree)と勝てる可能性(victoire possible)との選択だ」と巻き返しを図っています。大統領選挙に出るためにわざわざ首相を辞任までしたのに、この結果には焦りがあるでしょう。
アモン氏とモントブール氏は社会党左派で、いずれもヴァルス内閣で閣僚でしたが緊縮政策に反対して更迭されています。主張を見ていると、経済への国家介入、緊縮政策反対等とても左派色がします。逆にヴァルス氏は社会党最右派です。首相になる前の発言を見ていると、とても社会党とは思えません。実際、首相になる時、右派側からは「我々と彼は何が違うのだ」と疑問が巻き起こったくらいです。
既に右派では、右派色の強いフランソワ・フィヨン元首相が候補となる事が決まっています。その際も中道寄りのアラン・ジュペ元首相に打ち勝って来ています。フィヨン氏は非常に自由主義かつ財政緊縮型の主張をしており、右派予備選で訴えた公務員削減案はどう見ても非現実的なくらい厳しいです。また、社会政策的には厳格な移民政策、愛国心教育等、典型的な右派的主張をしています。もう20年前くらいからずっとフィヨン氏は閣僚、首相等で国政の中心にいたわけですが、元からそんなにエッジの利いた主張をしていたような記憶がありません。次第にそうなっていったという事なのかなという気がします。
こう見ていくと、今年の大統領選は事実上、極右(ル・ペン)、右派色の強い右派候補(フィヨン)、左派色の強い左派候補(アモン)で戦われるのではなかろうかと思います。そして、多分、選挙期間中はそれぞれの支持者向けに極めてエッジの利いた主張ばかりが飛び交うはずです。(つづく)
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