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2017-01-24 00:00
IT化と世界について
真田 幸光
大学教員
私はいつも、私が携わってきた仕事であるところの「金融業」は「究極の情報産業である」とお話ししています。そして、時代の小道具は進化し、今や、インターネットを利用した情報化社会となり、「Internet of Tings=IoT時代」に突入したとも言われ、また、これを基にして、「第四次産業革命」に突入したとも言われています。正に、道具の進化に伴う時代の大変化であります。
世の中、便利になりましたが、その便利さの一方で、「インターネット時代の混乱」も見られ、先日もニュースを見ておりましたら、「人々が撮影したピース・サインの写真を解析、その指紋を模倣して、指紋認証を突破し、犯罪に至るといった事件まで発生した」というような事件も出るようになっており、インターネットから流出する情報が知らぬ間に犯罪に利用されたりする事例も増えてきています。しかし、何れにしても、情報の収集と分析、そして将来予測をした上で、時代の先を行くビジネスを推進していくことはビジネス成功の一つの大きなチェックポイントになることは間違いありません。
そこで、情報とIT化を連関させて考えていくと、(1)鳥瞰図的、多角的視点から見た情報収集の必要性。しかし一方で、検索キーワードを誤るときちんとした情報収集ができない。更に、収集した情報そのものの真偽やその精度の差を如何にして確かめるか、難しい問題を抱えている。(2)収集した情報の分析手法の必要性。如何なる目的で如何なる分析をしていくのか、分析手法に関する指示を誤るとITだけでは正確な情報分析が出来ない。(3)分析した情報から将来を、予測をしていく必要性。如何にして周辺情報を加えて予測していくのか、その過程でITに限界はないかが問われる。
この結果、将来の動向に関わる予測の精度は落ちないか? 即ち、こうした情報収集から分析、将来予測に至るロジックが幼稚であれば、その分析の精度は低くなり、結局はそのロジックを作る人の実力を超えられないのではないか、そして、ITそのものに瑕疵があるのか、ないのかを誰がどのように確認していくのか? こうした問題に対する明確な対応策がないと私は考えています。従って、やはり、「人」の実力に依拠した収集、分析、将来予測がIT化時代にも当然に必要となると思います。いずれにしても、今後の動向、進化の様子をフォローしたいと思います。
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