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2017-01-19 00:00
耳に障る言葉
緒方林太郎
衆議院議員(民進党)
この10数年、よく使われるようになった英語に「スキーム(scheme)」という言葉があります。私も使った事がないわけではありません。ただ、どうしてもこの言葉の使われ方には違和感があります。これを「計画」、「枠組み」という意味合いで使っている方が多いです。先日も内閣官房からIR法の説明を聞いた際、「IR法のスキーム」といった表題でした。たしかにこれはそういう意味合いのある言葉ですが、感覚的には「悪巧み」、「企て」といった事を含意しての計画や枠組みです。
英英辞典を見てみましょう。
1. an organized plan for doing something, especially something dishonest or illegal that will bring a good result for you:
2. (mainly UK) an officially organized plan or system
まず、目につくのは「dishonest(不誠実)」、「illegal(違法)」といった言葉です。1.については、正に「悪巧み」、「企て」系です。2.については、英国ではニュートラルな使われ方をしているという事です。なので、英国での使用例にかんがみれば絶対に使ってはいけないとまでは言いませんが、特にアメリカ、カナダ等では受け入れられない使い方だという事は分かっていただけるかと思います。自分で「絶対に誤解を招かない」という自信がないのであれば、基本的には使わない方がいいでしょう。日本語で「計画」、「枠組み」と理解してしまうと、その裏にある真実を見損ないます。今はどうだか知りませんが、昔、私が使っていた受験英語の英単語本に「intimate→親しい」、「intercourse→交流」といった言葉が当てられていたのと似ているような気がします。この2つの単語はいずれも「性的な」という前提があり、受験英語で学ぶ必要は基本的に無いと思っています。学んだ事を活用しようと張り切って、英語圏の人に「I would like to have good intercourse with you.」などと言おうものなら、とんでもない事になります。
それと同じで「IR法のスキーム」なんて書かれた資料が出てくると、「ん?、なんか悪巧みでもしようとしてるのか?」と意地の悪い邪推でもしたくなります(勿論、そうでない事を信じていますが)。という事で、既に世間でよく使われている言葉であり、考え方によっては「和製英語」化しているとすら見る事も出来ますが、「スキーム」の使用を少しずつ減らしていく運動をやってみようと思っている所です。まずはお役所からです。
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