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2017-01-18 00:00
翁長知事に普天間返還優先の大局的判断を望む
加藤 成一
元弁護士
昨年12月に米軍北部訓練場約4000ヘクタール(甲子園球場の1038倍)が返還されたことは、喜ばしく、ヘリパット(離着陸帯)設置が返還の条件とは言え、大きな前進として正当に評価されるべきである。翁長知事の与党である共産党などの左派系政党や、現地のマスメディアなどは、政治的立場などにより返還を評価しないが、沖縄における米軍施設の面積が、この返還によって約20%も大幅に縮小されたことは紛れもない事実である。この上は、跡地が県民のために有効に活用されることを望みたい。
共産党の安保政策には、日米安保条約を廃棄した後の日本の安全保障について、誰もが安心できる有効確実な具体策がなく、「核抑止力」を否定し、ひたすら「平和外交」だけに依存するものであり、沖縄県民を含む1億2700万国民の大多数は、到底安心も納得もできないであろう。
普天間基地の辺野古移設問題で重要な点は、普天間と辺野古を比較衡量した場合に、そのいずれを優先するかである。やはり、人口密集地にあり危険とされる普天間基地の返還を最優先すべきであろう。その最大の理由は、辺野古への移設によって、沖縄県全体としては明らかに米軍基地面積が縮小し、且つ危険性も減少し、ひいては沖縄の基地負担の軽減にもつながるからである。
辺野古訴訟に関する今回の2016年12月20日付け上告棄却最高裁判決についても、翁長知事側が拠り所とする移設反対派の法律家や、学者、有識者らの「見解」は、概ねイデオロギー的に偏向した「法解釈」に基づくものであり、法律的に無理がある。このことは、今回の最高裁判決でも示されている。「公有水面埋立法」に基づく埋め立て承認後に、新たに生じた「撤回事由」を承認撤回の理由とする、いわゆる『承認撤回論』についても、筆者の2016年12月23日付け『百花斉放』掲載の拙稿「翁長知事は『上告棄却』の最高裁判決を尊重せよ」に記載の通り、裁判になれば同様の結果となるであろう。翁長知事には、あくまでも、知事としての主体的且つ公正中立な立場から、普天間基地返還を最優先とする大局的判断を望みたい。
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