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2007-03-08 00:00
連載投稿(2)局所的異常気象と地球規模の温暖化
小山清二
特許庁先任審判官
ところで、異常気象は太古の昔からも存在したが、地球全体での温暖化、寒冷化であった。然るに現在の異常気象は、地球上で同時に両極端な現象が発生している。即ち、猛暑と寒冷、豪雨と干ばつ等の両極端な現象が同じ地球上で同時に起こっているのである。酸性雨や光化学スモッグなどの大気汚染現象と、オゾン層破壊に伴う異常気象や地球温暖化現象とは、大きく背景や因果関係が異なっていると思われる。即ち、現在の世界的な異常気象と地球温暖化の主要な原因がともに炭酸ガスやフロンガスであるとは思われない。炭酸ガスは、窒素酸化物も同様だが、光化学スモッグや酸性雨などの大気汚染の原因にはなっても、今日の極めて深刻な地球温暖化や異常気象の主因ではないと思われる。両極端の異常気象という現象は1960年頃から現れて来たようであるが、それが産業の発達と関連づけられて炭酸ガスが犯人と誤認されたのであろう。
また、火山灰も気象の異常化の原因として指摘されているが、火山噴火による火山灰が異常気象に与える影響は短期であり、主因ではない。確かに、火山の大噴火直後は、局所的に太陽光線を遮って寒冷化し、その後に一時的に冷害として冷夏の発生や、降水量に異変をもたらして農作物の生育に影響を与えることもあるようだ。即ち、火山の爆発が強力である程、微細な粒子の火山灰や火山塵は空中高く放出されて、一部は成層圏にまで達することがある。火山灰は極めて吸着性に富んだ複雑な結晶の物質であり、空中に漂流して落下して来る間にも実に様々なイオンや物質を吸着して来る。火山灰のこの吸着性は、太陽からの紫外線をもよく吸収し、また大気圏の水蒸気をも実によく吸収する。その為に、太陽からの紫外線の地上への浸透が極度に低下し、太陽光線(宇宙線)に異常な拡散・反射現象を引き起こして、局部的に寒冷化等の異常気象を招来させるものである。
しかしながら、火山灰が空中に漂流している時間は通常は1年程である。時折、世界的な且つ歴史的な大噴火の際には3年程も空中に滞留していることもあるが、極めて希有である。今日、世界的な火山の大爆発は年に4~5回程であり、その都度、空中に放出される火山灰によって、地域的に寒冷化等の異常気象が一時的に発生しているが、現在のような世界的な異常気象の直接的原因ではないように思われる。
即ち、火山灰や火山塵が極めて大量に且つ長期間に亘って噴出されるような大噴火が、世界各地で頻繁に発生しない限り、今日見られるような長期に言る深刻なオゾン層破壊等の、世界的規模の異常気象や地球温暖化の真因ではないと思われる。それに火山灰は、一見異常気象として人類に悪影響を及ぼすように見えるが、降下して風化して来た折りには、恵まれた気候環境の下で有益な肥料効果を発揮して、肥沃な大地を提供し、人類に大きく貢献してくれているのである。これは雪の場合も同様である。大自然の様々な現象は、一見、災害と見えても、結果的には多大なる恩恵を与えてくれているのである。(つづく)
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