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2016-12-26 00:00
現行の世界に潜む不安について
真田 幸光
大学教員
私は、「現行の世界秩序が変化する可能性が高まっている」と感じています。言葉を変えて言えば、「格差を背景として、現行の世界秩序に対する限界を感じ、変革を求める人々が増えてきつつある」とも言えます。
こうした現行の世界秩序を変える背景には、(1)米中に代表される覇権争いの激化、(2)国家そのものの枠組みの変化の可能性、(3)現行の世界秩序そのものの破壊を目的とする活動を行っている過激派の動き、と言ったものがあると考えており、また視点を変えて、その背景を挙げれば、保護主義的な動きの拡大、大衆迎合的な動きの拡大、統制国家的な動きの拡大、と言ったものが挙げられましょう。
そして、こうした中、私が危惧していることは、「欧州の秩序の崩壊懸念」であります。英国の欧州連合(EU)離脱問題を筆頭に、保守派が勝ったもののオーストリアの政情不安、イタリアのレンツィ首相の退陣による政情不安、オランダやフランスに見られる政情不安拡大の可能性、スペインのカタルニア地方やバスク地方に見られる独立の動きなどを見ていると、「欧州の現行の秩序の根幹にある欧州連合体制が崩壊する可能性を高めている」と言う点を出発点として、「EU崩壊の可能性⇒EUが発行している通貨・ユーロの信用力低下⇒ユーロ建て債券・国債の価値低下⇒ユーロ建て債券・国債保有者の資産内容悪化の可能性拡大⇒そのユーロ建て債券・国債保有者の中核たる欧州系金融機関の資産内容悪化懸念拡大⇒欧州系金融機関の投融資活動の鈍化懸念拡大⇒欧州全体の資金繰り悪化懸念拡大⇒欧州の景気鈍化懸念拡大⇒欧州株の下げ圧力継続⇒日米先進国株の下げ圧力復活⇒先進国経済の悪化懸念」と言った論理展開がなされ、「景気先行きに期待感が持てず、閉塞感が漂う中、現行の秩序に対する不満や不安が拡大している」とも見られるのであります。
果たして、こうした中、日本経済は下げ圧力を払拭して、拡大傾向に転じるのか否か、注目したいと思います。
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