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2016-11-26 00:00
トランプショックに対する朝鮮日報の見方について
真田 幸光
大学教員
韓国のトップ紙である朝鮮日報は、11月11日の紙面にて、「メキシコの首都メキシコシティーの街頭では9日、「震え上がる時が来た」という見出しが新聞のトップに躍った。メキシコの経済専門家はドナルド・トランプ氏が米大統領に就任することについて、悲観論が相次いでいる。メキシコ大手、バノルテ銀行の経済アナリスト、ガブリエル・カシヤス氏は「トランプ氏当選はメキシコ経済の成長を0.3ポイント低下させる」と述べた。トランプ氏は選挙運動でメキシコから輸入される製品に35%の関税をかけると主張した。
香港メディアは10日、「トランプ氏の保護貿易主義は中国本土と香港の経済に大きな悪材料になる」と報じた。サウスチャイナ・モーニング・ポストはアナリストの分析として、「トランプ氏が公言した通り、中国本土の輸入品に対し、45%の関税率を適用した場合、中国本土の対米輸出が4,200億ドル減少し、中国本土の国内総生産(GDP)が4.8%減少する」と予想した。
ドイツメディアは「27年前の11月9日にベルリンの壁が崩壊して以降で最も衝撃的なことが起きた」と伝えた。ドイツ自動車協会は「トランプ時代に保護貿易主義が台頭すれば、国際貿易と外交関係に深刻な打撃が懸念される」との声明を出した。米大統領選の結果が出てから丸一日がたち、世界的に『トランプショック』が広がっている」との悲観的見方を書き立てている。
しかし、筆者はトランプ氏は、ビジネスマン的嗅覚から比較的短視眼的視点から実利を追い、中露、ドイツといった大国とはケースバイケースディールバイディールで上手に立ち居振る舞いをし、大きな問題は起こらないのではないかと見る。しかし一方で、米国にとって軍事的外交的経済的価値の低下している韓国に対しては厳しく出る可能性はあり、そうした意味で朝鮮日報の懸念は理解できるものでもある。いずれにしても、未知数のトランプ政治を暫くは静観する必要があろう。
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