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2016-11-05 00:00
(連載2)サイバーセキュリティと自衛権
緒方林太郎
衆議院議員(民進党)
ここで、「武力攻撃の一環として」という言葉について色々な疑問が湧いてきます。私の問題意識は以下のようなものです。第一に、「サイバー攻撃自体が武力攻撃に該当すると考えているのか」、「サイバー攻撃のみが行われる場合も『武力攻撃の一環として』に入るか」という質問については、まだ、議論が百花繚乱で決めきれていない、という答弁でした。ただ、そうすると、同じサイバー攻撃でも物理的な武力攻撃と相俟って行われる場合は武力攻撃と見なされ、単体で行われる場合にはそうでないという変な結論すらあり得るわけです。ここは「全体として判断」という事でした。第二に、「サイバー攻撃の主体が国家ではなく、武力攻撃が起こり、その一環として民間主体がサイバー攻撃を行う場合はどうか」という質問については、個別具体的な判断という事でした。第三に、「サイバー攻撃の対象が、国家や政府機関ではない企業や事業体である場合も、『一環として』と考え得るか」という質問については、私は「当然考え得る」という答弁であるべきだと思いますが、ここですら「個別具体的な判断」という事でした。違和感がありました。
また、「自衛権を発動して」についても質問しています。自衛権発動については、既存のPower Projection Capabilitiesの考え方が根幹から変わるという事が重要です。例えば、ミサイル等での武力攻撃が今にも起ころうとしている場合、策源地攻撃は、従来から(安保法制改正前であっても)個別的自衛権で整理可能でした。ただ、現在、日本の自衛隊はそういう攻撃能力を十分に有していないので策源地攻撃は必ずしも現実的ではありません。
しかし、サイバー攻撃については、策源地攻撃が可能なのです。なので、例えば、個別的自衛権の行使として、日本にミサイルを発射する直前の基地をサイバー攻撃する事は可能かと質問しました。これは自衛権の解釈のあり方なので、別に「こちらの手の内を明かす」ということにならないと思いますが、何から何まで「お答えを差し控える」でした。これくらい「やり得る」と答えても問題ないと思うのですが。
最後に、サイバーセキュリティについては、どうも現場で実務に携わっている方々と、安保法制を担当している方々との間に距離があるように思えるので、そのインターフェースを作っていくべきではないかと指摘しました。この程度の質問には「そうですね、引き続き頑張ります」と受け流しておけばいいのに、ポイントの外れた反論をしていました。あれは性格なんですかね・・・。丸川大臣に対する違和感と、防衛省答弁の雑さが印象に残った質疑でした。(おわり)
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